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2012年4月10日(火)

シリア 軍撤退に条件

攻撃止まず 調停案骨抜きの恐れ

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 【カイロ=小泉大介】シリア外務省は8日の声明で、アナン国連・アラブ連盟特使(前国連事務総長)の調停案にもとづく軍の市街地からの撤退について、反体制派が攻撃停止を文書で保証しない限り行わない考えを示しました。

 声明は「シリアは軍撤退の計画を持ち、すでに一部履行しているが、これを完了させるには相手側からの保証が決定的だ」「アナン特使はいまだ、テロリスト組織が暴力停止を受け入れたとする文書での保証を示していない」などと表明しました。

 シリア側も合意したアナン特使調停案は、10日までにシリア軍が市街地から撤退し、48時間以内に停戦を実現するよう求めています。今回の外務省表明により同案が骨抜きになり、攻撃がさらに激化する危険性も出てきました。

 反体制派武装組織である自由シリア軍司令官は8日、ロイター通信に対し、「もし政権側が調停案を履行するなら、われわれもそうする」としつつ、「われわれが武器を手放すことはありえない」と表明しました。

 シリア軍による攻撃は8日も続き、人権団体の報告によればこの日、51人が死亡しました。7日には約130人が死亡しましたが、犠牲者の多くは民間人です。アナン特使は8日の声明で、「私はショックを受けている」「シリア政府は調停案の完全な履行の必要性を認識しなければならない。この間の暴力の激化は受け入れられない」と厳しく指摘しました。


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