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2012年4月4日(水)

ASEAN首脳会議開幕

経済格差是正が急務 労働者の保護へ協定

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 【プノンペン=面川誠】東南アジア諸国連合(ASEAN)の第20回首脳会議が3日、2日間の日程で、カンボジアの首都プノンペンで始まりました。同国のフン・セン首相は開幕演説で、2015年のASEAN共同体創設のためには域内国間の経済格差と各国内の貧富の格差を是正することが急務だと訴えました。

 フン・セン氏は今年の優先課題として、すべての人々に成果が行き渡る包括的な成長によって「人々が中心の共同体」創設への道筋を付けることを提唱。一例として、ASEAN内で労働者の移動が増えていることに対応し、今年中に労働者の保護に関する協定を結ぶよう呼び掛けました。

 金融・経済危機への備えとしては、通貨危機に陥った際に外貨を融通し合うASEANプラス3(日中韓)の枠組みである「チェンマイ・イニシアチブ」の総額をできるだけ早く1200億ドルから2400億ドルに倍増すべきだと強調しました。

 首脳会議は同日、共同体創設に向けた課題をまとめた文書「プノンペンアジェンダ」に合意。一部ASEAN諸国と中国の間で領有権紛争が続く南シナ海問題について、ASEANと中国が2002年に合意した行動宣言(DOC)を履行し、法的拘束力のある行動規範(COC)締結を目指すことを確認しました。

 東南アジア非核兵器地帯条約付属議定書への核保有国の署名と、域内紛争の平和的解決を支援するASEAN平和・和解機関の発足も優先課題に挙げました。

 首脳会議は「プノンペン宣言」にも合意。東アジア全体の地域経済統合を展望した「地域包括経済連携枠組み」を促進することを確認しました。

 4日の首脳会議では、地域安全保障の懸念材料となっている南シナ海問題や、欧米諸国に対してミャンマー制裁解除の働きかけを強めることなどが話し合われます。

 北朝鮮の「ロケット」発射予告で緊張が強まっている朝鮮半島情勢については、7月のASEAN地域フォーラム(ARF)で韓国と北朝鮮の対話が実現するよう、外交努力の強化を協議する見通しです。

 首脳会議は、協議の成果をまとめた議長声明などの合意文書を発表して閉幕します。


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