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2012年3月26日(月)

不当解雇規制の「労働者憲章」守れ

イタリアの労組 抗議計画

政府 緩和法案の国会提出狙う

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 イタリアのモンティ政権は23日、解雇規制を緩和する法案を閣議決定しました。近く国会へ提出する意向です。政府は、規制緩和が“経済の活性化につながる”と宣伝しますが、世論調査では国民の過半数が反対を表明。労働組合は、法案の撤回を求めて、署名運動やストライキの実施を呼び掛けています。

 (島田峰隆)


 焦点となっているのは、不当解雇を規制した労働者憲章第18条です。

 政府法案は、同条項について、▽業績悪化を理由にした解雇を「正当な解雇」として認める▽裁判で「不当解雇」とされた場合でも、企業側に再雇用を義務付けることはせず、補償金の支払いだけで済ませる道を開く―などの改定を加えるとしています。

財界の要求で

 同条項の「改革」は、財界が以前から要求してきました。イタリア産業連盟は「政府の改革案について、これ以上譲歩することは受け入れられない」とし、法案成立へ圧力をかけています。

 一方、最大労組のイタリア労働総同盟(CGIL)は、「解雇規制の緩和と経済成長は無関係」「労働者に不正義を押し付けるもの」と反論しています。

 20日に行われた政労使代表による協議でCGILは、法案の撤回を要求。しかし政府は「いつまでも議論しているわけにはいかない」(フォルネロ労働・社会政策・機会均等相)などとして、一方的に協議を打ち切りました。

 これを受けてCGILは21日、解雇規制の維持を求める署名運動を起こすことや、職場での抗議集会の開催、16時間のストライキ実施などの方針を決定。労組幹部は「抗議行動は1日で燃え尽きるようなものにはならない。われわれは成果を勝ち取る」と述べ、国会の議論に影響を与える規模で行動を起こすことを呼び掛けました。

世論6割反対

 地元紙が19日に公表した世論調査によると、約60%の人が第18条の改定に反対を表明しています(賛成は約33%)。ロイター通信は、「解雇規制は変えるべきではない。解雇しやすくすることで雇用を増やすなんて信じられない」というローマで働く男性(29)の声を紹介しています。


 労働者憲章 1970年に成立した法律で、労働者や労働組合の権利を明記しています。第18条は、15人以上の労働者を持つ企業が労働者を解雇した場合、裁判所が不当解雇と判断すれば、企業にその労働者の再雇用を義務付ける内容。業績悪化を理由にした解雇は認めていません。


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