「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年3月16日(金)

新たな安全神話に立った再稼働押し付けをやめよ

志位委員長が会見

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

(写真)記者会見する志位和夫委員長=15日、国会内

 日本共産党の志位和夫委員長は15日、国会内で記者会見し、野田政権による原発再稼働の動きについて談話を発表しました。

 一、関西電力大飯原発の「ストレステスト」の1次評価について原子力安全・保安院が「妥当」と審査し、原子力安全委員会も「検査手法は問題ない」としたのを受け、首相が月内にも再稼働を認め、地元自治体の同意を迫るとの動きが報じられている。これは、新たな安全神話をつくり、「再稼働先にありき」という立場から国民の安全を顧みない許しがたい動きである。

 一、第一に、福島原発事故の事故原因が、究明されたとは程遠い状態にあることだ。首相は、政府の原発事故・調査委員会が昨年12月に「中間報告」をまとめたことなどで、「一定程度の知見は生まれてきている」などとのべ、再稼働の条件がととのいつつあるかのように発言している。

 しかし、福島原発は、放射性物質で汚染され、いまだに内部の様子すらわからない。地震によって、原子炉や配管に損傷があったのかどうかも不明である。徹底した事故原因の究明なしに、「一定程度の知見」などといって、再稼働に踏み出すのは、新たな安全神話をつくる無責任きわまる姿勢である。

 首相は、9月の予算委員会での私への答弁で、「事故究明、徹底調査がすべてのスタートの大前提」とのべた。この言明にてらしても再稼働など論外である。

 一、第二に、首相は、「ストレステスト」の1次評価をもって、再稼働をすすめようとしているが、もともと「ストレステスト」とは、その原発が、どの程度の地震や津波にたえられるかについての机上の計算を行うというものであって、これを行ったからといって原発の安全性が保証されるものではない。とくに、停止中の原発で行われている1次評価は、深刻な炉心損傷を起こすまでの余裕がどの程度あるかを調べるだけのものだ。

 そのことは、わが党議員の質問に対して、経済産業大臣も「ストレステストをやったから安全性が確認されるというものではない」と認めている。原子力安全委員会の班目(まだらめ)委員長も、「(1次評価では)総合的安全評価として不十分」と認めている。

 「ストレステスト」の1次評価だけをもって、原発の安全性は保証されたかのように主張して、再稼働に突き進むのは、まったく道理がない。

 一、第三に、だいたい、「ストレステスト」を進めている電力会社、それを「審査」する原子力安全・保安院、原子力安全委員会の3者は、そのすべてが、福島原発事故に重大な責任を負い、資格なしとの烙印(らくいん)がおされている、原発事故の「A級戦犯」である。このような組織によって原発の安全性の保証などできうるはずもない。

 「再稼働先にありき」の立場で、事故原因の究明もなし、規制機関もなしに、新たな安全神話をつくりあげ、原発再稼働を進めることには断固として反対する。

 原発事故から1年が経過したが、なお事故は収束とは程遠く、逆にその被害を広げ、多くの方々が苦しい避難生活を強いられている。いま政府がなすべきは、やみくもな再稼働などではなく、原因の徹底究明、事故の収束に全力をつくすとともに、全面賠償・徹底した除染を責任をもってすすめることである。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって