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2012年3月15日(木)

きょうの潮流

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 3月。ワビスケが咲いています。ツバキの仲間ですが、花びらの大きさも色もつつましやかです。千利休が好んだ花は、花言葉も「ひかえめ」だといいます▼「侘助(わびすけ)よかたまって咲け団結せよ」。鹿児島県生まれの俳人、藤後左右(とうごさゆう)の句です。昨年が没後20年というので、かごしま近代文学館が記念展を開いています。「闘う!俳人 藤後左右展」。4月末までです▼名前を知らない人も、句を読んだら「左右さん」とよびたくなるでしょう。「春いっぱい字いっぱいの句でご免なさい」―。「字いっぱい」に訳があります。形にとらわれない口語の俳句をつくりました▼医学を学びながら京大三高俳句会で活躍し、「東(東大)の(中村)草田男 西(京大)の左右」と称されました。軍医を退いた戦後、故郷で病院を開きます。やがて、「闘う俳人」として立つときがやってきます。1970年代の初め、志布志湾に日本最大級の石油コンビナートをつくる計画がもちあがりました▼生きとし生けるものを愛してやまない左右さん、故郷の海を守る「志布志湾公害を防ぐ会」の会長をひきうけます。地域ぐるみの大運動が、計画をひっこめさせました。が、かわって石油備蓄基地をむりやりつくる案が浮上し、湾は埋めたてられます▼あきらめず裁判に訴えた左右さんの句は、かつて本欄で紹介しました。「裁判長コンクリートのうえで相撲がとれますか」。のちに「蝉(せみ)が来て資本論のお経を毎朝よむ」と詠む左右さん、本名は「惣兵衛」でした。


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