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2012年3月6日(火)

主張

PKO法改定

武力行使への危険な踏み込み

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 自衛隊が国連の平和維持活動(PKO)に参加する際の「参加5原則」の見直しに向けた作業を、政府が開始しました。今国会へのPKO協力法改定案の提出をめざしています。

 「参加5原則」は自衛隊のPKO参加の違憲性をごまかすために政府が持ち出した詭弁(きべん)です。5原則があるから憲法違反ではないといってPKO派遣を拡大してきました。それを見直すのは、アメリカいいなりにPKO派遣を含む海外派兵を飛躍的に強化するためです。憲法違反を拡大する作業を許すわけにはいきません。

米軍事要求に応えて

 もともとPKO協力法は、1990年の「湾岸戦争」で日本が資金援助しかしない国といわれたのを受け、自衛隊を国連の軍事活動であるPKOに派遣することでアメリカの歓心を買うために自民党政権が制定を強行したものです。憲法で戦争を禁止されている日本が、国連のPKOであれ、海外での軍事活動に参加するのは許されません。日本が憲法の平和原則にもとづいて活動するのは、国連に加盟したときから国際的にも認められています。戦後日本の大原則を踏みにじるPKO参加に国民が反発したのは当然です。

 批判をかわすために政府がもちだしたのが、停戦合意、受け入れ側の同意、中立性、いずれかが崩れた場合は撤収、武器使用は隊員の生命防護に限定―という「PKO参加5原則」です。5原則があるから自衛隊は武力行使もできないし、憲法違反の活動にはならないと国民に思わせるのが狙いだったことは明らかです。

 野田佳彦政権がいま「PKO参加5原則」を見直すのは、自衛隊が海外で米軍を後方支援するだけでなく、武力を行使して米軍を守り、ともにたたかえというアメリカの要求に積極的に応えるためです。アメリカいいなりで日本をより危険な道に引き込むことにしかならないのは明白です。

 「参加5原則」見直しのなかでも、とりわけ重大なのは武器使用条件を緩和し、自衛隊の武器使用権限を拡大することです。政府の「PKOの在り方に関する懇談会」が昨年7月発表した「中間報告」で検討課題として持ち出した、「人」「物」の防護とともに国連が求める任務遂行のための武器使用にふみだすという口実です。

 自衛隊が攻撃されてもいないのに、他国の部隊を守るために武器を使用するのは武力行使であって、集団的自衛権そのものです。集団的自衛権の行使は憲法違反という政府見解に照らしても、「参加5原則」の見直しは許されません。

憲法しっかり守ってこそ

 国連のPKO政策は「平和維持」にとどまらず、任務遂行のためには武力行使すると明記するまでになっています。陸上自衛隊が参加した南スーダンPKOはその最たるものです。一般市民の保護にあたる南スーダン軍や警察への援助、一般市民の保護、国連要員などの安全確保のために「必要なあらゆる手段」をとれといって、武力行使を認めています。

 政府の「PKO参加5原則」見直しの危険性は明らかです。見直し作業をただちにやめるべきです。憲法の平和原則をしっかり守り、憲法を生かして国際社会のなかで非軍事・平和的な役割を果たすことこそ重要です。


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