「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年3月4日(日)

エルサルバドル大統領

医薬品業界規制法に署名

高い薬価引き下げへ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 【メキシコ市=菅原啓】中米エルサルバドルのフネス大統領は2日、医薬品業界を規制する「薬事法」を認証するための署名を行いました。同大統領は式典で、「きょうは、大企業の利益よりも、国民の健康の権利を優先させた記念すべき日だ」と演説。国民の間からは、世界一高いとされる薬価の引き下げにつながると歓迎の声が上がっています。


 同国では、右派政治家と結びついた一握りの大企業が、医薬品の製造・輸入・流通を支配し、医薬品の価格が不当につりあげられてきました。同じ薬品が近隣諸国では7割も安く手に入ることもあり、多くの国民が薬を求めて国境を越える事態も生まれています。

 フネス大統領は演説で、同国で生産された抗生物質「シプロキサン」や糖尿病治療薬「グリベンクラミド」の値段は、国際標準価格の52倍にも上り、ジェネリック(後発)医薬品を購入するための費用は、近隣諸国の28倍だと指摘。今回の法律によって、医薬品関連の大企業による独占支配に終止符を打つと強調しました。

 新法は、医薬品の販売に規制を設け、ジェネリック医薬品については、先発医薬品に比べ3〜4割の値段に抑えるよう定めています。また、規制機関として、大学研究者や消費者団体の代表も参加する薬品庁を創設。同庁は、国際的な価格も目安にしながら、国内の販売価格が適正かどうか判断し、違反企業には厳罰を科します。

 与党・ファラブンド・マルティ民族解放戦線党(FMLN)のギジェルモ・マタ国会議員は、薬価の引き下げは、無料で提供される公立病院の薬品の種類を増やし、国民全体の健康増進にもつながると説明しています。

 同党は野党時代の2002年に、医薬品業界を規制する法案を国会で提案。業界とつながる右派政党の反対で何度も先送りにされてきました。FMLNは今回、右派政党が選挙の公約で医療の充実を掲げていたことなどを示し、積極的な論戦を展開。最終的に全会一致で可決されました。

 地元紙コラティノ2月27日付社説は、こうした経過を振り返り、「薬事法は間違いなく、国民の幸福をめざすFMLNの勝利だ」と指摘しました。

図

見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって