「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年3月4日(日)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 八王子市にそびえる高尾山に、年間250万人ほどが登ります。登山者の数で世界一を誇る、東京の名山です▼標高は599メートル。山頂あたりから、西側に富士山が大きい。東側からは、関東平野を一望できます。遠く日光の連山から筑波山、房総半島、神奈川の江の島まで眺められます▼東京の西の展望台が高尾山なら、東の展望台が墨田区に完成した東京スカイツリーです。世界一高い電波塔で、634メートルは高尾山を上回ります。上下の展望台のうち、高い方は450メートル上空にあります▼東京の日野市に住む片山曻(のぼる)さんは、スカイツリーをみて長年の疑問の解けた気がしました。片山さんは、故郷の広島に帰るたびに空をみあげてきました。“原爆は600メートル近い上空で爆発したというが、どのあたりだろう”。スカイツリーの姿で、「あの高さか」と、実感できました▼片山さんは13歳の時、爆心地から1・7キロの学校で被爆しました。救いを求める友だちを助けだせずに逃げた自分を許せず、被爆者の運動にもなかなか飛び込めませんでした。しかし、40年たったころに「私は変わりました」。親友が「仇(かたき)をとってくれ!」といって息絶えていたと聞き、気づいたのです。「仇をとるとは核兵器をなくすことだ」▼スカイツリーがよくみえる江戸川区に、小学生のお孫さんたちがいます。「あの高さで爆発したんだよ」と話しかけると、「また原爆の話?」とすげない。しかし、片山さんは時を待ちます。一度は孫と一緒に広島へ帰ろう、と。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって