「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年2月18日(土)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 峠をこえて間もなくすると、見渡すかぎり雪に閉ざされた景色が現れました。先の休日、友人の車に同乗し、福島の南会津町を訪れました▼かやぶきの家がたち並ぶ集落へ。屋根の雪が、何重もの層をなして積もっています。たまたま出会った年配の男性がこぼしました。「雪下ろしをしないといけないが、この辺に若い者がいないんだ…」▼民宿にも日帰り温泉にも、お客が集まっているようにみえます。しかし、立ち寄った休憩所の人が、首を横にふりました。「観光客は、いつもの年の3分の1ぐらい。南会津は、放射線量も低いのに」▼町の人口は2万ほどです。震災、原発事故の直後から、町民あげて被災者を助けました。町民が避難所に届けたおにぎりは、最初の3週間で56万個以上。自慢の地元米のおにぎりは、「おいしい」と評判でした。そんなうまい米がとれる南会津で、18世紀に百姓一揆があったと知りました▼当時、南会津は幕府のじかの支配地でした。重税に苦しむ農民は、大勢で代官の陣屋におしかけ、幕府に直訴する代表15人を江戸に送り出す。幕府は、一計を案じる。農民たちが代表に本当に直訴を委ねたのか、全戸しらみつぶしに調べて回り、領民を恐怖に陥れました。なんだか、橋下大阪市長の全職員への思想調査とも重なるやり方です▼一揆は、指導者6人の打ち首で終わります。しかし幕府も、年貢米を江戸まで運ばせる重い負担などを廃止しました。6人はいま、郷土の誇る「義民」とたたえられています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって