2012年2月16日(木)
米中関係強化を確認
オバマ大統領と習副主席が会談
貿易・人権でも意見交換
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領と訪米中の習近平中国国家副主席は14日、ホワイトハウスで会談し、米中関係の強化の重要性を確認するとともに、両国で見解の異なる問題についても意見交換しました。習氏の訪米は、バイデン米副大統領の招待によるものです。
オバマ氏は、米国にとって「中国との強い関係」の構築は「絶対的に不可欠」だと強調。「相互利益と相互尊重に基づいた協力関係」を深め、「非常に包括的な戦略経済対話」などの実績を積み上げてきたとして、「中国の平和的台頭を歓迎する」「中国が強く、繁栄する国となれば、(アジア)地域に安定と繁栄をもたらす」と述べました。
一方、米国が不公正だと批判する中国の貿易問題については「同じルールに基づく協力」が必要だと主張。「人権問題の重要性を引き続き強調する」とも述べました。
習氏は「相互尊重と相互利益に基づく協力的パートナーシップ」の重要性を強調し、「相互理解を深め、合意できる分野を拡大したい」と述べました。
今回の会談では、シリア情勢をめぐる問題なども議論されたとみられ、習氏は「率直で深い意見交換」ができたと述べました。
バイデン氏も国務省内で開いた昼食会で「米中関係は、われわれのアジア戦略の決定的に重要な構成要素だ」と説明しました。
これに対し習氏は米中関係を「世界で最も重要でダイナミック、将来性のある2国間関係の一つ」と表現し、オバマ政権のもとでの両国関係は「全体として前向きに推移」してきたと述べました。
一方、貿易問題では「保護主義ではなく、対話と協議によって対応すべきだ」と、中国への“制裁措置”などをちらつかせる米国内の議論を暗に批判。「人権問題に関しては、改善の余地が常にある」と述べ、「米中間で率直で建設的な対話を行う用意がある」と述べました。