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2012年2月14日(火)

遺棄毒ガス敦化事件

「日本政府は防げた」

訴訟結審 原告ら意見陳述

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(写真)東京地裁に入る(前列左から2人目)劉国義さん、周桐さん、劉浩さん=13日、東京都千代田区

 中国吉林省敦化(とんか)市郊外・蓮花泡で2004年7月、旧日本軍の遺棄毒ガス砲弾によって負傷した2人の少年が日本政府に賠償を求めている敦化事件訴訟が13日、東京地裁(小林久起裁判長)で結審しました。判決は4月16日に言い渡されます。

 原告らが意見陳述しました。

 劉浩さん(15)は事件後、筋力や持久力、免疫力がおち、風邪をひきやすくなったと話しました。

 父親の国義さん(42)は、事件後、日本政府調査団によって3200発を超える毒ガス砲弾が発掘され、村全体が引っ越したことを証言。涙を流しつつ「日本政府は、旧日本軍が蓮花泡に大量の毒ガス弾を遺棄したことを、息子たちの事件のずっと前の91年に知っていた。なぜ、その存在を教えてくれなかったのか」と日本政府の責任をただしました。

 周桐さん(19)は、事件により中学校同級生から誹謗(ひぼう)中傷を受け、中学校を退学。大学進学の夢をあきらめたことなど精神的苦痛を語りました。「日本政府は人間としての心があるのか。損害の全責任をとり、蓮花泡をきれいな所に戻せ」と訴えました。

 同訴訟弁護団は、弁論を通じて、中国政府による遺棄化学兵器埋蔵場所の情報提供や防衛省資料など多数の情報の存在が明らかになる中で、日本政府は遺棄化学兵器により被害者が出ることを予測し防ぐことができた、と重ねて強調しました。


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