2012年2月5日(日)
シリア死者 一夜400人
テレビ報道 弾圧開始後 最大に
【カイロ=小泉大介】政府による反体制派住民への弾圧が続くシリアで3日夜から4日未明にかけ、軍が大規模攻撃を行い、全土で少なくとも416人が死亡しました。中東の衛星テレビ・アルアラビアが伝えました。事実だとすれば、昨年3月に弾圧が始まって以降、一度に出た死者数としては最大です。
アルアラビアによると、最も死者が多かったのは、反体制派の「拠点」とされる中西部ホムスで、337人が死亡し、1300人以上が負傷しました。シリア軍は戦車からの砲撃や迫撃砲攻撃を行い、少なくとも36家屋が全壊したとされます。
英国に拠点を置く「シリア人権監視団」は4日、「これこそ本当の虐殺だ」とし、アラブ連盟に対し、虐殺停止のためただちに対処するよう要求。同日にはエジプトをはじめアラブ各国のシリア大使館に、攻撃に抗議する在外シリア人がつめかけました。
シリア軍が大規模攻撃を仕掛けた3日は、現大統領の父親、故アサド大統領時代の1982年に、軍が中部ハマで数万人ともいわれる住民を虐殺してからちょうど30年目の日にあたります。各地でこの大虐殺を思い起こす集会が開催されていました。