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2012年2月4日(土)

きょうの潮流

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 「東風凍を解く」。「東風」を、「とうふう」とも「はるかぜ」とも読みます。「凍(こおり)」は、厚い氷です▼「はるかぜ、こおりをとく」。なんと心地よく響く言葉でしょう。立春から5日間ほどの時節をいい表しています。きょうは立春。記録破りの大雪・低温の「寒冬」を過ごしてくると、暦の上であっても、「春」に心はずみます▼北の被災地や雪国の春は遠いけれど、大雪をもたらした強い寒気は、立春の声をきくとともにとりあえず抜けたようです。しかし、「東風凍を解く」は、残酷さをあわせもっているのかもしれません▼気象庁は、注意を促しています。大雪の峠は越えたが、気温の上昇や雨のせいで雪崩がおきやすい、と。雪崩が秋田県の玉川温泉を襲い、3人の命を奪ったばかりです。3人は、がん患者の湯治場で知られる岩盤浴場にいました。地球が生み出す自然力を借りて、生の希望をはぐくむ場所に▼新雪が一気に滑り落ちる「表層雪崩」とみられています。気温の変化や重力で、雪の粒同士の結びつきが断たれておきる雪崩。予測がむずかしくても、人気の高い温泉場の危険まで見過ごされるような現実があってはならないはずです▼悲劇をともなう「雪崩」も、俳句の季語です。すさまじい雪崩の音を詠み、こわさを表す句が多い。寺山修司の「目つむりて雪崩聞きをり告白以後」は異色です。心の中でも雪崩? かりにそれが悲しみだったとしても、人間、そこから立ち上がってゆくのですよね、寺山さん。


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