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2012年1月31日(火)

きょうの潮流

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 「『人間というものはね、背骨のひとつひとつでものを考え、字を書くんだよ』と彼は言う。『だからあたしは、その人の背骨にあわせた万年筆しか作らんのさ』」▼「夢のような文章」を書きたい主人公が、「夢のようにからだにぴったりと馴染(なじ)む」万年筆を作ってくれる専門店を訪ねる物語「万年筆」(村上春樹『象工場のハッピーエンド』)の一節です▼神奈川近代文学館で開催中の「作家と万年筆展」には、夏目漱石、吉川英治、井上ひさし、角田光代の各氏など、明治・大正期の文豪から現在活躍中の作家まで、27人の愛用の万年筆と自筆原稿が展示されています▼時間をかけて一字一字、書き記された文字からは、思考の勢いや懊悩(おうのう)、よりよい作品を創りたいという情熱が伝わってきます。インクの色には作家の体温がこもっているようです▼日本ペンクラブ会長の作家・浅田次郎氏の万年筆もあります。以前インタビューした時、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の額に対峙(たいじ)して、手書きで原稿をつづっていくと語っていた浅田氏。愛用の万年筆のクリップには剣がかたどられています▼ペンは剣よりも強し。平和と言論・表現の自由を掲げる日本ペンクラブは、橋下徹大阪市長が代表を務める「大阪維新の会」の「教育・職員基本条例案」に断固反対しています。「思想信条によって人が序列化されたり、差別・弾圧されたり、また職場や地域や国から追われることには、これまでも反対してきましたし、これからも反対します」と。


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