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2012年1月27日(金)

「世界一危険」な普天間基地

騒音 年間2万回 苦しむ宜野湾

田中防衛相の暴言に批判

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 田中直紀防衛相が米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に接する普天間第二小学校について「(頭上を飛ぶヘリは)そんなに多くない」と発言したことに、県民から強い批判の声があがっています。


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(写真)校庭で遊ぶ子どもたちの頭上を、覆いかぶさるように着陸進入する米軍機=2010年6月22日、沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校

 田中防衛相の認識は、米国ですら「世界一危険」と言っている普天間基地を抱える宜野湾市や沖縄県、住民の被害・実態とかけ離れています。これは、沖縄防衛局が宜野湾市などに提出した「飛行航跡集約図」を見ても一目瞭然です。

 米軍機は9万人の宜野湾市民の頭上をすさまじい頻度で飛行しています。同市の「基地被害110番」に寄せられる件数は昨年12月25日時点で前年度比で309件増えて454件。2002年の「110番」設置以来、過去最高です。

 米軍は「運用上の理由」により、米軍機の発着回数は明らかにしていませんが、沖縄防衛局が測定した普天間基地の騒音発生回数を見ると、年間でおおむね2万回を超えています。

 これを国土交通省がまとめた2010年度の民間空港の着陸回数と比較してみると、広島9923回、長崎1万8919回、秋田7745回などとなっています。普天間基地の運用状況は、地方の主要民間空港と比べても、「そんなに多くない」はずがないことは明らかです。

 普天間第二小学校は同基地の滑走路北側に位置。日常的に米軍の輸送機やヘリが離着陸や旋回訓練を行い、米軍機が着陸するときは、爆音とともに突っ込んでくるかのように小学校に接近します。

 同小など沖縄の基地周辺の学校では毎年、米軍機墜落を想定した避難訓練を実施。「学校の運動場、基地フェンス側に飛行機が落ちました。先生の指示に従い避難してください」との放送とともに児童らは避難します。

 そもそも、普天間第二小学校を含む地域は、米航空法でも一切の建築物の建設が禁じられている「クリアゾーン」になっています。

 普天間基地の存在自体が違法状態なのに、日本共産党沖縄県委員会・県議団が25日、小学校の上空を飛ばないことを求めたのに対し、沖縄防衛局側は「小学校の上空を飛ばないと米軍機の離発着はできない」と居直りました。田中防衛相だけでなく、米軍の好き放題に基地を使用させ、同県名護市辺野古への新基地建設を推進する野田政権自体を厳しくたださなければなりません。(洞口昇幸)

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