「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年1月26日(木)

福島 川内村「帰還宣言」へ

除染・インフラ整備 進めつつ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

(写真)雪のなか除染作業がすすむ川内小学校=20 日、福島県川内村

 福島第1原発事故で、村全域が半径20キロの警戒区域と半径30キロの旧緊急時避難準備区域に指定され、全村避難状態だった福島県川内村が、条件整備がすすんだとして、村民に帰村を促す「帰還宣言」を31日にも出します。村民への説明会を避難先の郡山市などで開催してきました。避難区域に指定された双葉郡8町村のなかで、帰還宣言ははじめてです。

 役場、小中学校、診療所などの公共施設は4月1日から村で再開します。「戻れる人は戻り、心配な人はもう少しようすをみてから戻る」方針で選択を村民にゆだねています。

 村の放射線量は、一部を除くと年間1〜5ミリシーベルト。村は、年間被ばく線量を1ミリシーベルト以下にする目標で、昨年11月から小中学校、保育所の除染をすすめ、2月末完了を予定しています。

 表土をはぐ作業の結果、小学校校庭で毎時0・14マイクロシーベルト、中学校校庭で同0・20マイクロシーベルトに下がりました(除染作業前の約3分の1)。除染の結果出た土砂などの廃棄物は、警戒区域内の村有地に仮置き場を設け移します。

 民家450戸の除染は1月にはじまったものの、雪のため遅れており、子どもがいる家約200世帯を優先して実施し、その分は3月末の完了をめざします。

 飲料水は608件のモニタリング調査ですべて不検出でした。

 雇用の確保については、製造業の誘致、露地栽培から水耕栽培への転換(トマト、レタス)、森林除染と間伐で出る木材を利用するバイオマス発電を導入するなどで、約150人の雇用創出をめざします。

 買い物など生活圏だった富岡町が警戒区域なので、新たなバス路線を田村市、小野町に確保します。小売店17店は8店が休業中ですが、財政支援をして営業再開を促します。

 警戒区域内の村民(160世帯353人)も村に戻れるよう、村にはじめての仮設住宅を40戸、3月末完成予定で建設します。

 田427ヘクタールは、2012年度も作付け制限を続け、400カ所でモニタリング調査し、除染をすすめます。

 村は、昨年秋以来の説明会などの開催に続き、1月に郡山市や村内で説明会を10回開き、これらの方針や進行経過を説明。村民からは多様な意見と質問が出て、3時間の論議になっています。(中村秀夫)


 川内村 面積で3分の1にあたる東側が警戒区域、残りの西側が緊急時避難準備区域(昨年9月末に解除)。人口は約3000人。郡山市1600人など県内に80%、県外に20%が避難し、村にはいま135人が住みます。役場機能は郡山市に移っていましたが、除染など一部部門を元の役場に戻し帰還準備をすすめてきました。

図

見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって