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2012年1月20日(金)

比例代表導入を論議

与野党が提案 少数党不利の批判うけ

チリ

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 【メキシコ市=菅原啓】南米チリで、少数政党に著しく不利な現行選挙制度への批判が高まり、比例代表制の導入を含め与野党の間で激しい議論が起きています。制度化された二大政党制を打破しようという方向性を持つ議論であり、今後の展開が注目されます。


 18日には、ピニェラ大統領の出身母体である右派与党・国民改進党(RN)と野党中道左派連合の第1党・キリスト教民主党(PDC)が、「チリの新政治体制」という共同文書を発表。首相職の新設などとともに、現行の2人区制に比例代表制の要素を加味した選挙制度への改革を提案しました。右派連合内の第1党・独立民主連合(UDI)は賛同していませんが、一部とはいえ与野党が共同で比例代表制の導入を提唱したのは初めてのこととして注目されています。

 現行制度では、上下両院ともすべて2人区から選出。通常、中道左派と右派の二つの政党連合が2人ずつの候補者リストを出します。しかし、一方の陣営が1位、2位を確保しても、その合計得票率が他陣営の2倍以上に達しない場合は、当選するのは1位と3位の候補となります。

 これは、相当の大差がつかない限り、左右両陣営が1議席ずつ分け合う仕組み。右派勢力を温存するために1990年の民政移管直前に軍政がつくりだした特殊な選挙制度であり、事実上、二大政党(連合)制を制度化するものです。実際、チリの国会では二大政党連合の議席数がほぼ拮抗(きっこう)する状況が続いてきました。

 選挙制度の問題は、投票率の低下にもつながっているといわれ、ピニェラ大統領は年頭から、各党に制度改革の議論を呼び掛けてきました。

 一方、中道左派連合内の各党は、選挙改革の統一提案を目指して協議を進めてきました。この協議がまとまらない段階で、PDCが単独で与党勢力と合意したやり方には驚きと批判の声が上がっています。

 同連合の主要政党である社会党のロッシ書記長は18日、現行制度の基本は残したまま、2人区制の修正で済ませようとしている今回の提案には同意できないとし、「野党は2人区制から比例代表制への抜本的な改革を求めるべきだ」と主張しています。


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