「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年1月20日(金)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 「頑張(がんば)る」は江戸時代から使われている言葉で、もとは「眼張る」とも書いたそうです。目をつけるとか目をこらしてみる、という意味でした▼島崎藤村は、1920年代から30年代に書いた小説『夜明け前』で、一つの場所にじっと控えるようすを「頑張る」で表しました。「イギリスの軍艦は横浜の港に頑張ってゐて…」。以上、辞典で調べた「頑張る」の語源にまつわる話です▼東日本大震災と原発事故の後、「がんばれ日本」「がんばれ東北」の標語が全国にあふれています。一方、「がんばれ」は禁句のようにもみなされています。実際、「これ以上どうがんばればいいのやら」と思う被災者の前で、「がんばれ」「がんばって」はむなしい▼けれど、映画「ヒミズ」をみて、やっぱり「がんばれ」なんだ、と考えさせられました。「ヒミズ」については、18日付本紙学問文化欄がすでに、的を射た紹介を載せています▼被災した町に、独りで住む中学生の男の子と彼をしたう同級生の女の子がいる。2人の家庭は壊れ荒れ果て、被災地の廃虚の風景と重なる。日を見ずに死ぬヒミズモグラのように目立たない「普通」でありたいという彼を、現実が許さない。暴力の連鎖につながれ、ついに事件を起こす…▼必死で寄り添う彼女。絶望にのたうち回った末、生き直そうと決めた彼は、行き場所を定めて疾走します。彼女の「がんばれ、がんばれ」の声援の、なんとも切実な響き。彼女は伴走しています。苦しみも希望も共有する心の友として。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって