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2012年1月19日(木)

大飯原発耐性試験

信用ゼロの「妥当」評価

“事故当事者”保安院がチェック

関電の提出から わずか3カ月

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 関西電力大飯原発3、4号機のストレステスト(耐性試験)で経済産業省原子力安全・保安院が「妥当」と評価する「素案」をまとめました。関電が結果を保安院に提出してから3カ月足らず。「はじめに再稼働ありき」を実証してみせました。(間宮利夫)


 ストレステストは、地震や津波などの自然災害に原発がどの程度まで耐えられるかを示す「安全裕度」を調べます。定期検査で停止した原発の再稼働の可否を判断する「1次評価」と、東京電力の福島第1および福島第2を除く全原発の運転の是非を判断する「2次評価」があります。

 どちらも、原発を所有する電力会社自身がコンピューターで「安全裕度」を計算し、その結果を保安院が評価。それを、原子力安全委員会が確認し、国際原子力機関(IAEA)のチェックを経て、首相らが最終判断することになっています。

 ストレステストは、欧州連合(EU)が東京電力福島第1原発事故の直後、地震や洪水といった自然災害などに対してどの程度までなら原発が耐えられるかを示す「安全裕度」を調べることを決め、昨年6月から開始しました。日本では同7月に突然、実施が決まりました。

 これは、福島第1原発事故で国民の原発に対する不安が高まり、「緊急安全対策」を取らせたから大丈夫などといって「安全宣言」をしても、定期検査で停止した原発を再稼働させることができない状況に業を煮やした国が持ち出したものです。

 名前は同じでも、日本のストレステストは、国民に判断材料を提供することを目的としたEUのストレステストと異なり、最初から再稼働を前提としています。今月6日に原発を保有する14カ国の国ごとのストレステスト結果が出そろったEUでは、各国から「時間不足でさらに検査が必要」などの声があがっているといいます。

 大飯原発3号機の結果が保安院に提出されたのは10月28日、4号機は11月18日です。このような短時間で、どのような審査ができたのか疑問です。「安全神話」を振りまいて福島第1原発事故を引き起こした当事者である保安院がいくら、「妥当」といっても国民は信用することができません。

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