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2012年1月13日(金)

与那国島 昆虫希少種が危ない

自衛隊配備で関係学会警告

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 防衛省が進める与那国島(沖縄県)への陸上自衛隊、航空自衛隊配備計画予定地が、同島に生息する絶滅危惧種の中でも特に、絶滅のおそれが高い希少種の生息地で、日本昆虫学会などが「甚大な影響を及ぼす危険性がある」と警告していることが12日までに分かりました。

 警告しているのは日本昆虫学会(多田内修会長)と日本甲虫学会(新里達也会長)、日本鱗翅(りんし)学会(岸田泰則会長)、日本昆虫分類学会(大林延夫会長)、日本トンボ学会(松木和雄会長)で、昨年12月に防衛相、環境相と沖縄県知事、与那国町長あてに要望書を提出しています。

 日本昆虫学会などが「甚大な影響」を表明しているのはヨナグニマルバネクワガタやフチトリゲンゴロウ。いずれも昨年2月に種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」に指定されたばかり。自衛隊配備候補地とされるインビ岳周辺の森林は「ヨナグニマルバネクワガタの同島内における最後に残された主要な生息地」(同要望書)です。

 さらにインビ岳西側や久部良地区の牧場内には環境の良好なため池が点在し、フチトリゲンゴロウの生息も予想される、としています。同島には、国内では同島だけにしか生息が確認されていない種や亜種が約60近く確認されています。

 自衛隊配備計画は、陸上自衛隊沿岸監視部隊、航空自衛隊移動警戒隊を予定。防衛省は本年度中に用地を決め、来年度着工に向け15億円を概算要求しています。同計画は2008年8月に与那国町議会が誘致決議をしたものの昨年、誘致賛成署名を上回る数の反対署名を防衛省に提出しています。

 日本昆虫学会・日本甲虫学会担当自然保護委員の荒谷邦雄さんは「希少野生動植物の保護を求める動きは昆虫学会にとどまらず、分類学会連合が同様な決議をあげ要望書の提出を決め、自然史学会連合など幅広い学会にもよびかけ、賛同が広がっている」としています。

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