「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2012年1月1日(日)

きょうの潮流

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 透き通った海水が入り江を満たします。岩手の綾里(りょうり)の浜は、冬の日差しをあびて静まり返っていました▼いまは大船渡市の旧綾里村は、明治と昭和の大津波のさい、三陸でもっとも高い波を記録したところです。昨年3月11日の津波は、漁港の内側に築かれた防波堤をのりこえ、漁港に近い集落を壊しつくしました▼一日も早い復興を願って港を歩きながら、85年前の大事件に思いをはせました。アワビ争議です。綾里の海は、アワビの好漁場でした。そこに目をつけた隣村の資本家らが、綾里の有力者とはかり漁協から漁業権を借り上げます▼期限がきても、彼らは漁業権を返しません。商店主や役人まで送り込んで漁協をのっとる始末。自由にアワビを採れない貧しさにたえかねていた、漁民が立ち上がります。彼らは、日本共産党の影響のもとに活動していた労農党の支援を得て、ついに1927年、国に要求を認めさせました▼教職をなげうって村に帰り争議を指導した青年は、日本共産党の存在に刺激を受けていたといいます。岩手県党史が記します。“争議は勝利した漁民の闘争として特筆される”“漁業権の思想(漁業権は漁民のもの)と漁業組合の理念(漁民で構成される)を定着させるきっかけとなった”▼漁業権を漁民から奪う水産特区や、環太平洋連携協定(TPP)の話がもちあがる今、先人の足跡をふり返って無駄ではないでしょう。そして、日本の民主主義の担い手と自負する日本共産党は、創立90周年を迎えます。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって