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2011年12月31日(土)

係争地の非武装化推進

タイ外相 カンボジア訪問で確認

海底油田 共同開発も検討

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 【ハノイ=面川誠】タイのスラポン外相は29、30の両日、カンボジアを訪問しました。同国のフン・セン首相、ホー・ナムホン外相らとの一連の会談で、両国が領有権を主張する係争地域のヒンズー寺院「プレアビヒア」一帯の非武装化を進めることを確認しました。


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 プレアビヒア寺院周辺では2009年以降、小規模な武力衝突が起き、両国の兵士と民間人数十人が死傷しました。国際司法裁判所(ICJ)は今年7月、寺院一帯の非武装化と東南アジア諸国連合(ASEAN)監視団の受け入れを命じています。

 両国は9月の首脳会談でICJの命令を順守することを確認しましたが、具体的な手順について協議が進んでいませんでした。今月21日に開かれた両国共同の全体国境委員会(GBC=両国の国防相が共同議長)で作業部会設置が決まり、近くタイで初会合が開かれる予定です。ただタイ軍部は撤兵と監視団受け入れに慎重な姿勢を崩していません。

 また今回の外相会談では、両国が係争を続けるタイ湾の海上国境をめぐっても、海底油田の共同開発に向けた協議を再開することで原則合意しました。共同開発は01年の首脳会談で合意されましたが、国境紛争が悪化した09年にタイが一方的に破棄を宣言していました。

 このほかスラポン氏は、不法入国とスパイ行為の罪で有罪判決を受けカンボジアで服役中のタイ政治団体活動家の釈放を要請。ホー・ナムホン氏はタイで服役中のカンボジア人との「囚人交換」を提案し、タイ側が検討を約束しました。

 今年7月のタイ総選挙で勝利した貢献党のインラック政権は、カンボジアへの強硬姿勢を取り続けたアピシット前政権(民主党)の政策を転換し、関係改善を積極的に進めています。


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