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2011年12月31日(土)

主張

震災被災地の越年

被災者が希望を持てる政治を

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 肌を刺すような冷たい風が仮設住宅の玄関サッシに吹きつけます。時折雪も舞う宮城県石巻市の仮設住宅では年末ぎりぎりまで防寒工事が続いていました。東日本大震災の被災地です。玄関先を囲う風除室(ふうじょしつ)などが全仮設に設置されるのは年を越しそうです。津波で自宅が全壊し、仮設で一人暮らしをする女性(78)はエアコンとホットカーペットで暖をとります。北風が入り込み、毛布をすきまにはさまないと寒くて寝られないといいます。「もとの場所には戻れるのかどうか」と将来への不安も尽きません。

寒さ対策が急務

 死者と行方不明者約2万人もの犠牲を出し、東日本各地に甚大な被害を与えた大震災の年が暮れようとしています。地震と津波に加え、福島原発事故で住み慣れた家を追われた33万人を超える人たちが、いまも仮設住宅などで避難生活を強いられています。放射能の被害を逃れようという自主避難者も多数います。

 これほど大規模な避難者が越年するのは、戦後日本でなかった事態です。被災者の置かれた過酷な状況に心を寄せたきめ細かい対策と、被災地復興へ希望を示す政治の役割が求められています。

 日本共産党国会議員団は年末、▽被災者の生活支援強化▽冬季対策など環境改善▽事業者の資金繰り対策▽雇用確保対策▽原発被害賠償と除染の迅速実施などを政府に緊急要求しました。直ちに対策が講じられるべきです。

 冬の寒さがいよいよ厳しくなっている被災地で一刻の猶予も許されないのは、慣れない避難生活を続ける被災者の命と健康を守るための対策です。

 仮設住宅に住む被災者からは毛布や湯たんぽの要望が強く出されています。電気器具に頼った暖房では光熱費がかさみ、生活費を圧迫するためです。水光熱費の補助など、生活に困窮している被災者への対策も必要です。雪の多い地域に避難している人たちへの除雪などの対策も急務です。

 民間借り上げ住宅などで暮らす避難者や自主避難者などに暖房器具を国庫負担の対象としていきわたるようにすることも重要です。

 被災地では、仮設の店舗が開かれるなど再建も動き出しているものの、本来の生活を取り戻すのはまだまだです。被災者の生活と生業の土台再建を政府がしっかり保障することが不可欠です。

 いままでの枠組みを超えた公的支援制度の拡充・創設が必要です。宅地被害の支援策の新設、店舗・工場復旧への直接支援などに踏み込むべきです。借金が足かせとなって再起できない事態を生まないために「二重ローン」対策もさらに拡充しなければなりません。

生活の土台再建へ

 突然の震災で肉親を奪われ、家屋・店舗・工場などを失い、収入を断たれた被災者はだれもが「マイナス」の状態に置かれています。個人や一地域の力ではとても解決できるものではありません。

 被災者がせめて「ゼロからのスタート」ができる支援を保障するのが政治です。原発事故の損害の賠償では東京電力と国がしっかり責任を果たすべきです。

 新しい年を、すべての被災者の生活を支え、地域全体の復興につなげる年にするために、日本共産党は全力を尽くします。


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