2011年12月24日(土)
きょうの潮流
先ごろ、アメリカから伝わってきた話です。ある小学校で2年生をうけもつ先生が、授業で北極についてふれました▼児童の一人が発言しました。「サンタさんがすむところだね」。先生が答えます。「サンタさん、本当はいないんだよ」。ごていねいに「贈り物を置いてゆくのはみんなの親」とも語ったので、さあ大変。先生は、親たちに謝ったそうです▼サンタ伝説を生んだ、聖ニコラウスは実際にいました。約1700年前です。いまのトルコ領で、権力者の横暴から市民を救ったり、借金のかたに売春宿へ売られる女性を助けるため、そっと家に金貨を投げ入れたりした、といいます▼経済学者の暉峻淑子(てるおかいつこ)さんは、30年ほど前、絵本『サンタクロースってほんとにいるの?』を書きました。「子どもたちの美しい夢をこわすことなく、現実への橋をかけてあげたい」と、願いつつ▼暉峻さんは、ことし出版した『助けあう豊かさ』に、とくに思いをこめて書いた、絵本の会話をいくつか紹介しています。たとえば、子どもが“なぜ、サンタはぼくのほしいものがわかるの?”と問う。お父さんが答えます。「こどもの ほしがっているものが わかるひとだけが サンタになれるんだよ」▼次も、お父さんです。「サンタクロースはね こどもを よろこばせるのが なによりの たのしみなのさ。だって こどもが しあわせなときは みんなが しあわせなときだもの サンタクロースは ほんとにいるよ せかいじゅう いつまでもね」