2011年12月21日(水)
エジプト再び緊迫
青年ら100万人集会呼び掛け
軍支配継続に怒り高まる
【カイロ=小泉大介】エジプトで民政移管を求める人々に対する軍の弾圧は19日も続き、4日間の死者は13人に達しました。今年初めの「革命」を主導した青年組織など19の団体は同日、共同声明で、軍支配継続に抗議する大集会を23日に首都カイロのタハリール広場で開催することを表明。100万人規模の参加を呼び掛けました。
「革命」後に実権を握る軍最高評議会のメンバーで国防副大臣のアデルエマラ氏は19日に会見し、この間の活動家の抗議行動について、「エジプトを破滅に導く組織的な計画」「民主体制への平和的な移行を妨げるもの」だなどと述べ、軍には衝突の責任は一切ないとの立場を表明。軍支配に反対する人々の怒りの火に油を注ぐ格好となりました。
軍最高評議会への批判は足元でも高まっており、地元メディアの報道では、同評議会が助言機関として任命した諮問委員会の35人の委員中9人が辞任したとされます。
諮問委員会のモハメド・ファラハト事務局長も18日の声明で、「次回会合の第一議題は、いかに大統領選挙の時期を早めるかということになるだろう」「軍はしかるべき政府に権力を引き渡し、国防の任務に専念しなければならない」と指摘していました。
現在、エジプトをはじめアラブ地域では、軍が路上で女性活動家を激しく殴打する映像が衛星テレビやインターネットのサイトなどで繰り返し流れており、それを見た若者らがタハリール広場に集まり、抗議の声を連日上げています。
エジプトの五つの人権団体は18日の共同声明で、「女性活動家を標的にした前代未聞の武力行使がおこなわれている」と、軍を厳しく批判していました。