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2011年12月19日(月)

消費増税 転嫁できず

零細企業の7割に

日商など4団体調査

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 消費税率を引き上げれば零細企業の7割は消費税を販売価格に転嫁できない―。消費税をめぐる厳しい実態が日本商工会議所など中小企業4団体の調査で明らかになりました。これ以上の税率引き上げは、価格転嫁できない中小・零細企業をますます増やし、経営を破たんさせるのは必至です。

 調査は、日本商工会議所、全国商工会連合会、中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会が今年8、9月に実施し、9388事業者の回答を寄せました。

 調査によると現在、消費税を価格に「転嫁することができていない」事業者は、売上高1000万〜1500万円の事業者の64%(ほとんど転嫁できない事業者が38%、一部しか転嫁できない事業者が26%)。売上高5000万円以下全体で事業者の半数超が価格転嫁できていません。

 消費税率をこれ以上引き上げられたら「転嫁できない」と回答した事業者は、売上高1000万〜1500万円で71%、売上高2000万〜3000万円でも64%にのぼりました。売上高各階層で「転嫁できない」事業者の比率は増えています。

 売上高が小さい事業者に比べ、売上高10億円超の事業者では「転嫁できていない」事業者は32%です。事業規模が小さいほど消費税の転嫁できないことを示しています。

 同時に、消費税率が引き上げられた場合、売上高2億円以下全体でも、50%以上の事業者が「転嫁できていない」と回答。消費税が広範な中小企業に打撃を与えることを示しています。


解説

消費税転嫁できない

税率引き上げなら倒産・廃業増必至

 消費税の価格転嫁が厳しいなか、税率10%への引き上げを政府が行うなら、中小企業の大量倒産・廃業、経営破たんがいっそう広がります。

 消費税は、事業者が消費者価格に転嫁することを前提に、事業者に納入義務が課されています。しかし、価格への転嫁ができない場合、事業者は自分の利益を削って消費税を納めなければなりません。そのことが中小・零細企業の経営を圧迫し、納税のための借金を増やし、営業破壊も招いてきました。

 東日本大震災、円高、材料高など経済情勢が厳しいなかで消費税増税に走ることは暴挙といわざるをえません。

 調査を実施した4団体の一つ、全国商工会連合会は次のように危機感を表明しています。

 「(消費税の税率引き上げは)増税分の価格転嫁が困難な中小企業にしわ寄せが行き、現状でも納税資金の確保に苦慮している中小企業の資金繰りがさらに厳しくなり、滞納件数の増加を招きかねない」

 (大小島美和子)

グラフ

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