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2011年12月16日(金)

「勝利」なきイラク戦終結

米大統領が宣言 帰還兵前に

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 【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は14日、ノースカロライナ州フォートブラッグ陸軍基地で、イラクから帰還した兵士を前に演説し、「明日、バグダッドの米軍旗が公式に降ろされる」「イラクでの米国の戦争は終結する」と宣言しました。


 イラク駐留米軍も年内で完全撤退。オバマ氏は「イラク戦争はもうすぐ歴史となる」と述べ、帰還した兵士に「お帰りなさい」と4度繰り返しました。

 ブッシュ前政権が国連の決議もなく、「有志連合」を結成して侵攻に踏み切って以来、9年近くに及んだ戦争は、米国の「単独行動主義」の象徴となり、反対する国際世論も強まりました。

 開戦当時、イリノイ州上院議員だったオバマ氏は、この日の演説で「勝利」という言葉は一切使わず、戦争の経過には「さまざまな紆余(うよ)曲折」があったと指摘。「大きな論争の原因となった」「政策立案者、歴史家はイラクでの戦略的教訓を分析し続けることになる」と述べました。

 イラク戦争に従軍した兵士は150万人。帰還兵の社会復帰は大きな国内課題となっています。退役軍人の失業率は高く、身体の負傷に加え、精神面での傷も深刻さを増しています。

 イラク駐留米軍の完全撤退をめぐっては、イラクの治安の不安定化、隣国イランの影響力の強まりなどを理由に、駐留延長を求める議論が米国内には強くあります。

 オバマ氏は「主権を持ち、安定、自立したイラクを後に残した」と述べましたが、共和党有力者マケイン上院議員は同日、本会議で演説し、「(完全撤退は)イラクの安定に重大で否定的な結果を招く」と批判しました。


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