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2011年12月16日(金)

所得制限世帯 1人5000円

民主が新子ども手当案

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 民主党は15日までに、2012年度からの新たな子ども向け手当について、所得制限の対象(年収960万円以上)になる世帯へ子ども1人当たり月5000円を支給し、手当の名称を「子どものための手当」とする案をまとめました。

 民主党政権は、子ども手当を廃止して自公政権時代の児童手当を復活させ、手当の支給額を減らし、所得制限を設けることで、8月に自民・公明両党と合意していました。

 民主党政権が子ども手当の財源を理由として年少扶養控除を廃止(所得税11年1月から、住民税12年6月から)しているため、3党合意で決めた新しい手当の額では増税と手当の差し引きで負担増となる世帯が出ます。子どもの3割前後が子ども手当導入前より負担増になる可能性がありました。

 3党合意では、所得制限で手当がまったく受けられなくなる世帯についてのみ、「必要な税制上、財政上の措置を検討する」としていました。

 来年6月から設けられる所得制限は、両親と子ども2人の世帯で年収960万円程度に設定されます。

 当初は所得制限世帯に月9000円の手当を支給することが検討されていました。しかし、それでは所得制限以下の中堅世帯の方が負担が重くなるケースがでるため、逆転現象の起こらない5000円の支給となりました。

解説

中堅世帯の対策なし

 民自公3党で合意した新たな制度では、今秋から一律1万3000円(月額)だった支給額が、中学生や3〜12歳の第1、2子は1万円になるなど、多くの世帯で減らされています。

 それにとどまらず、16歳未満の年少扶養控除が廃止(増税)されたことで、所得制限以下の世帯であっても、世帯主の収入が500万〜800万円程度の世帯では子ども手当導入前と比べても負担増になっています。中堅世帯で負担増となる子どもの数は300万人を超える可能性があります。

 共働きのサラリーマン世帯(小学生以下の子どもが1人の場合)では、旧児童手当と比べて年収700万円で年間差し引きで4万9000円の負担増です。(グラフ)

 当初、所得制限を受ける年収960万円以上の世帯に月9000円の手当を支給するとしていたのが、5000円になったのは、5000円以上では、何の対策もとられない中堅世帯の方が負担が重くなってしまうからです。5000円であれば年収1000万円世帯で年間4万9000円の“差し引き増税”となり、中堅世帯と同額の負担増になります。

 しかし、同額の負担増であれば中堅世帯の方が負担の割合は重くなります。

 加えて、扶養控除の廃止で所得税額が増えると、きちんとした調整措置を行わない場合、保育料などの負担が連動して増える恐れもあります。

 民主党が鳴り物入りで導入した子ども手当ですが、結局、多くの世帯に増税をもたらし、子育て支援にはなっていません。(斎藤瑞季)

グラフ

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