「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2011年12月10日(土)

日本共産党国会議員団総会での

志位委員長のあいさつ

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 日本共産党の志位和夫委員長が9日の議員団総会でおこなったあいさつは次の通りです。


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=9日、衆院第1議員会館

 臨時国会での奮闘、ご苦労さまでした。閉会にあたって、ごあいさつを申しあげます。

派遣法抜本改正求め、公務員給与削減に反対するたたかいを

 まず、会期末に、民自公が3党合意によって強行しようとした骨抜き労働者派遣法改定案、民自公3党の大合唱のなかで強行しようとした公務員給与削減法案について、どちらも今国会での成立を断念に追い込んだことは、労働者の生活と権利を守る、国民のたたかいの重要な成果であります。(拍手)

 たたかいは通常国会に引き継がれましたが、派遣法の抜本改正、公務員給与削減を許さないたたかいを発展させる先頭にたって奮闘しようではありませんか。(拍手)

震災復興―展望示す「提言」、間違った政治に立ちはだかる

 10月20日から始まったこの臨時国会では、大震災・原発災害からの復興が、引き続く最大の課題となりました。3月11日以降、この未曽有の大災害に対して、私たちは次の2点を基本姿勢として堅持し、被災地のたたかいと心を一つに奮闘してきました。

 第一は、「国民の苦難軽減のために献身する」という立党の精神にたって、復興への希望、復興への展望を指し示す積極的提言をおこない、政治を前に動かすために知恵と力を尽くすということであります。

 わが党は被災者の方々の切実な願いに応えて、3次にわたる「提言」を政府に提起し、実現に全力をあげてきました。そのなかで復興財源、原発災害対策財源についての責任ある提案を示し、実行を迫ってきました。

 第二に、復興に逆行するさまざまな間違った政治の持ち込みに、きっぱり反対をつらぬくということであります。

 「水産特区」や病院の統廃合など、大震災を利用して、「構造改革」路線をすすめ、大企業の新たなもうけ口をつくろうという動きを許さない。原発災害にさいして除染や賠償で一方的な「線引き」をおこない、被害者を切り捨てる動きを許さない。

 復興への希望、復興への展望を指し示す積極的提言をおこないつつ、間違った政治には正面から立ちはだかる――私たちは、被災地でのたたかいと共同して、この両者にしっかりと取り組んできました。

 そのなかで、政治を前に進める一連の成果もあげてきました。「二重ローン」問題、医療機関の再建の問題、除染や賠償の問題などで、それぞれ前向きの変化をつくりだしています。「水産特区」問題なども、相手の思惑通りには、ことは進まないという状況をつくりだしています。

 「原発ゼロの日本」を目指すたたかいが、全国各地でかつてない広がりを見せていることも重要であります。

 こうした日本共産党の基本姿勢は、被災地で信頼と共感を広げています。それは被災3県でこの間おこなわれた三つの県議会議員選挙で、わが党が合計6議席から11議席への躍進を果たしたことにもはっきりと示されました。(拍手)

 復興は、長期にわたる大事業であります。今年の冬場を乗り越えるための緊急対策を実施させるために力をつくすとともに、一人ひとりの被災者の方々の生活と生業(なりわい)の再建を最優先にした復興がなしとげられるまで、ひきつづき全力で奮闘しようではありませんか。(拍手)

「毒食らわば皿まで」―米国・財界「使い走り」政権の暴走

 同時に、この臨時国会では、日本の進路を左右する大問題が、大争点として浮上してきました。

 私は、臨時国会開会のさいの議員団総会のあいさつで、野田政権について、「アメリカと財界の顔色をうかがい、その一言一句を忠実に実行する、アメリカ・財界『使い走り』内閣」ということをのべましたけれども、まさに「使い走り」政権の“面目躍如”といいますか、そういう暴走が始まりました。

 11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議でTPP(環太平洋連携協定)交渉参加方針を表明する、米軍・普天間基地の「辺野古移設」への「手続き」を強権的に開始する、「消費税増税と社会保障の一体改悪」に突き進む。どれ一つとっても、一つやっただけで内閣が吹き飛ぶような大問題であります。それを一まとめにして一気にことを進めよう。「毒食らわば皿まで」というありさまであります。

 これらの暴走にたいして、国会でも、国民運動の面でも、大いに論戦とたたかいを進めましたが、たたかいはどれも来年がいよいよ重要になるということを、お互い腹にしっかりすえて、頑張り抜く決意を固めたいと思います。(拍手)

 来年を展望して、わが党の基本姿勢として、次の2点を強調しておきたいと思います。

悪政への暴走ストップ―国民的運動のよりどころとして

 第一は、間違った政治への暴走に、国民運動と共同して正面から立ちはだかる――いまの政党状況のなかで、この仕事にしっかり取り組めるのは日本共産党だということであります。

 たとえば、TPP問題などで、自民党、公明党などは、「APECでの参加表明は拙速だ」ということはいいましたけれども、参加反対とはいえないわけです。輸入自由化は自らも進めてきた路線だからです。先日の党首討論で、首相に、「それでは自民党の立場はどうなんですか」と逆に問われても何もいえないわけです。そういうなかで、TPP交渉参加反対の旗印を高く掲げ、TPP推進の根拠を総崩れにする論戦を展開してきたのは日本共産党であります。

 TPP反対の国民的運動は来年いよいよ重要になってきますが、これまでの共同のたたかいを発展させ、この動きを阻止するまで頑張り抜くという点で、わが党に課された責任はきわめて大きいということを強調したいと思います。

 それから、沖縄・普天間基地問題にかかわって、自民党と公明党は、今日の参議院本会議に、一川保夫防衛大臣の問責決議案を提出しました。しかし、その理由は、とどのつまりは、「この大臣では辺野古移設がすすめられない」から辞めさせろというものにほかなりません。

 私たちは、問責決議案に賛成いたしますが、理由は全く違います。沖縄県民の総意を無視し、県民の頭越しに、力ずくで「辺野古移設」を進めようとする政府の姿勢、担当大臣の姿勢そのものが大問題であり、新基地建設に向けた動きをただちに中止し、無条件撤去の立場で交渉せよ――この立場から問責決議案にわが党は賛成するものであります。(拍手)

 野田政権と民自公の3党体制――実質上の「オール与党」体制のもとで、間違った政治への暴走に正面から立ちはだかる、そのもっとも頼りになるよりどころとなって日本共産党は頑張り抜く必要があります。国民運動と共同して、この仕事に引き続き知恵と力をつくして取り組もうではありませんか。(拍手)

どの分野でも閉塞打ち破る展望を示す

 第二に、私が強調したいのは、どんな問題でも、間違った政治への批判とともに、党綱領を指針に打開の展望を示すことであります。

 民主党政権が国民への期待と公約を裏切る、かといって自民党政権への逆戻りもごめん、こういうもとで多くの国民のなかに閉塞(へいそく)感と政治不信が広がっています。

 そのときに、日本共産党が、どんな問題でも、政治の姿勢を大もとから変えれば展望が見えてくる、国民の利益に立った打開の展望を太く指し示していくことがこれほど大切なときはありません。

 先日の4中総の決定では、その立場が貫かれているということを、いくつかの点で述べたいと思います。

「一体改革」

 たとえば、政府が進める「税と社会保障の一体改革」についてですが、この中身は、社会保障の改悪をやりながら、消費税の税率を2倍にするという過去にも類のない最悪のものであり、わが党は文字通りの「一体改悪」に断固反対するたたかいに取り組む決意です。

 同時に、この問題では、反対とともに対案がきわめて大切になってきます。社会保障の充実のための財源をどうするのか。多くの国民が答えを求めています。4中総決定では、応能負担の原則を貫いて財源を確保する、三つの内容で財源を段階的に確保しながら、段階的・連続的に社会保障拡充の道を踏み出す、この基本方向を示しましたが、この方向を具体化した政策を仕上げていきたいと考えています。

 「一体改革」と相手はいうわけですが、「『一体改革』というのだったら、これこそが国民の利益にかなった一体改革だ」という展望を積極的に示しながら、消費税増税反対の論陣とたたかいを大いに展開したいと思います。

TPP

 それから、TPP問題でも、4中総の討論のなかでこういう発言が出されました。「農協のみなさんとTPP反対の共同闘争をすすめることで一致した。そのうえで、この地域をどうやって発展させるのか、日本の経済をどうするのか、その展望をぜひ日本共産党に示してほしいという要請が出された」

 先日、両国国技館でTPP反対の総決起集会が開かれましたが、そのなかのある農家の発言の中でも、TPP参加に反対だけれども、それではいったい、この農業をどうやって再生していったらいいのか、その展望が必要だという切実な声も出されました。

 農林水産業をどう再生させるのか、地域経済をどう発展させるのか、さらには、アジアに生きる国として諸外国とどういう経済関係を築いていくのか、そうした問題でも現状を打開していく展望を太く示していくことが大切であります。

日本経済

 さらに、日本経済をどう立て直すのか。4中総決定では、次のように述べました。

 「世界経済危機が長期化するもとで、これまでのように『国際競争力の強化』を口実に、雇用や国内需要を犠牲にして、外需依存の経済政策を続けていては、日本経済の前途はいよいよ閉ざされることになります。国内需要を喚起させる経済政策、とりわけ大きく減少した国民の所得を回復し、家計を応援する政策への抜本的転換が必要であります」

 いま、世界経済危機は、過剰生産恐慌という様相をいよいよ濃厚にしております。そういうもとで、これまでのような外需頼み、輸出頼みで経済を発展させようとしても、米国をはじめ世界的に需要が落ち込んでいるもとで、その展望はないわけです。真剣に日本経済を発展させることを考えたら、内需をよくすることしか道はありません。4中総決定ではこういう立場に立って、貧困と格差をなくし、人間らしい雇用を保障し、家計を応援する政策への転換を提起しています。

批判とともに展望示す―その力量が問われている

 4中総決定は、その全体にこうした考え方が貫かれているということをつかんでいただいて、国会論戦や政策活動でも大いにその見地で探求と発展をはかりたいと思います。

 切実な要求にもとづいて、一致点での共同闘争を大いに進める。同時に、国民に閉塞打開の展望を示す独自の努力を払う。この仕事をやり切ってこそ、新しい政治を探求する国民のみなさんの心をとらえ、日本共産党の躍進への道を開くことができます。

 批判とともに展望を指し示す。この力量がいま私たちに問われています。そのために、「開拓者の党」としての精神を発揮し、それぞれが大いに閉会中も国民の中に足を運び、そして大いに勉強もして努力しようではないかということを心から呼びかけたいと思います。(拍手)

4中総決定全面実践の先頭に立とう

 4中総決定はこの間の全党のみなさんのたたかいを踏まえて、当面する総選挙をはじめ、国政選挙に勝利するための画期的方針を打ち立てました。

 衆参国会議員団のみなさんが、4中総決定実践の先頭に立ち、「党勢拡大大運動」の先頭に立ち、そしてきたるべき総選挙と参議院選挙勝利の先頭に立って奮闘されることを訴え、そして年末年始、たいへん忙しいと思いますが、お互いに健康に留意して元気で再会できることを願い、閉会にあたってのごあいさつといたします。(拍手)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって