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2011年12月6日(火)

与党が議席大幅減

下院選 過半数は維持

ロシア

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 ロシア下院選挙(450議席)が4日、投開票され、プーチン首相(前大統領)の率いる最大与党・統一ロシアが大幅に議席を減らすことが確実になりました。


大統領「政治協議拡大へ」

 中央選管が開票90%時点で発表した暫定結果によると、統一ロシアの得票率は49・93%にとどまり、前回の63・4%から大きく低下。議席も現在の315議席から大幅減となりました。世論調査で予想された250議席獲得も危うい状況です。下院選は比例代表制で争われますが、足切り条項が7%と高く、少数政党の無効票が多く出るため、過半数は維持する見込みです。

 一方、野党のロシア共産党は得票率19・13%で前回より7ポイント以上増やしました。与党系の左派、公正ロシアが13・08%、与党系の極右・自由民主党が11・65%とそれぞれ前回より伸ばしました。西側に近い野党のヤブラコは3・14%で議席を得られませんでした。

 モスクワからの報道によると、暫定結果を受け、統一ロシアの比例代表名簿1位で選挙責任者を務めたメドベージェフ大統領は「選挙結果は今のロシアの現実を反映したものだ」と記者会見で語り、「統一ロシアは過半数を維持したが、(ほかの党の議席が大幅に増えたことで)これまでより政治的協議の場を広げることが必要だ」と述べました。

 一方、選挙の不正監視をしていた市民団体は「選挙で不正があった」としてモスクワや第2の都市、サンクトペテルブルクで抗議デモを行いました。無許可集会などの理由で200人以上が拘束されました。


解説

プーチン体制へ強い批判

 ロシア下院選挙の結果は、12年も続くプーチン体制への痛烈な批判です。

 プーチン氏は、チェチェンの分離・独立派を軍事力で鎮圧するなど、エリツィン大統領時代の混乱から強権でロシアの秩序を立て直し、支持を得てきました。

 2008年には憲法で規定された2期の大統領の任期を終え、メドベージェフ氏に大統領職を譲る一方、自らは首相として2頭体制で政治を実行。国内的には野党や民主団体のデモの取り締まりとマスメディア統治で、反対意見を封じてきました。

 そしてまた、大統領候補で返り咲きを目指すと発表。最大でさらに12年間、同氏がロシアを統治する可能性が出てきました。

 これに対し、「権力の私物化」とプーチン氏の権威主義的体制に対し、市民からの反発が相次ぎました。インターネットのウェブサイトでは、プーチン、メドベージェフ両氏を風刺する動画が人気を博し、街頭などで今までにない頻度で反与党・反プーチン集会も開かれました。

 ロシアのエリートを輩出するモスクワ大学でも、学生自治会に対する統一ロシア候補者への支持押し付けに抗議するデモが2度実施されました。プーチン氏の支持率も08年の80%から60%に低下しています。

 この中、統一ロシアは各種メディアやイベントを利用し、なりふりかまわぬ選挙戦を展開。それでも、統一ロシアの得票率は大幅に減りました。

 プーチン氏の大統領当選は今のところ確実視されていますが、「政府は誰かと協議する必要などない。上から命令すればよい」という同氏のスタイルは、変更を迫られそうです。(片岡正明)


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