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2011年12月4日(日)

イラクで爆弾テロ多発

米軍「完全撤退」前に混迷深まる

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 米軍が今年末で「完全撤退」するとしているイラクで2日、首都バグダッド郊外にある同国最大の米軍ビクトリー基地がイラク政府に返還されました。一方、「撤退」と時を合わせるようにイラクでは爆弾テロが多発。11月末からイラクを電撃訪問していたバイデン米副大統領にたいする抗議行動も起きており、同国情勢は今後、さらに混迷を深めるとの懸念も出ています。(カイロ=小泉大介)


 現地からの報道によると、イラク中部ディヤラ州カリスの市場で1日、車に仕掛けられた爆弾の爆発で13人が死亡しました。また同州のブフリズでは、国際テロ組織アルカイダ系武装組織の取り締まりにあたってきたイスラム教スンニ派組織「覚醒評議会」の地域幹部宅が何者かに襲撃され7人が死亡しました。

 イラクでは1日までの8日間で、少なくとも56人が爆弾テロや襲撃で死亡するなど全土で治安悪化が拡大しています。10月にはイラク当局の発表で250人以上が死亡しています。

 このような状況下、11月29日にイラク入りしたバイデン米副大統領は、30日にマリキ首相と会談。今年10月にオバマ米大統領が表明した年内の米軍「完全撤退」を改めて約束する一方、「われわれの戦略的協力関係はつづく」と強調しました。

 もともと米軍の「完全撤退」は、駐留継続と刑事訴追免責特権維持を求めた米側と、免責を認めないイラク側とが決裂した結果ですが、「完全撤退」後もイラク軍兵士を訓練する米軍部隊の残留に向けて協議を行っています。

 対米強硬派として知られるイスラム教シーア派の指導者、ムクタダ・サドル師はバイデン副大統領訪問にあたり、「イラクの内政問題への干渉だ」と述べ、全国で抗議のデモに取り組むよう訴え。南部のシーア派聖地ナジャフなどでこれに応える行動が起こっています。


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