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2011年12月3日(土)

きょうの潮流

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 「草の花は なでしこ。唐(から)なでしこはいうまでもない。大和のなでしこも、とてもすばらしい」。現代語で読む、清少納言の『枕草子』です▼「草の花は 撫子(なでしこ)。唐のはさらなり、大和のもいとめでたし」を訳しています(上坂信男・神作光一訳)。「唐なでしこ」は、中国から伝わってきたナデシコ。「大和のなでしこ」は、カワラナデシコです▼ここから察せられるように、大和撫子という語は、中国産ナデシコに対してつけられた日本産カワラナデシコの別名、といわれます。もっとも、カワラナデシコは日本にだけ育つ種類ではないそうです▼か弱そうにみえて、清らかで実は強いカワラナデシコ。愛らしい子どもに見立てて「撫子」とよばれた花は、やがて女性のたとえにも転じます。20世紀の軍国日本の時代には、特別な意味を背負わされました。「大和男子」と対をなす、従順で貞節、忍耐強い「大和撫子」。戦争と男性中心の世に望まれる女性像でした▼ことしの「新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)に、サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」が選ばれました。ワールドカップ大会で、初の優勝。震災後の日本の人々を勇気づけ、世界中に名をとどろかせました▼あきらめない。笑みをたやさず、試合を楽しみながら駆け回る。彼女たちに、何者かにしばられたりしない野草のような強さをみました。そう、カワラナデシコは、最近みる機会がめっきり減ったものの、もともとは山のふもとなどに咲く野の花です。


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