「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2011年11月27日(日)

TPP合意の仮訳

大枠合意→外務省訳→大まかな輪郭

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

 外務省は26日までに、環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加9カ国(既存の4加盟国を含む)の首脳が合意した同協定の「アウトライン」の仮訳を同省のインターネットサイトに掲載しました。

 民主党議員からも、早く訳文を出すよう催促が出ていましたが、合意後10日以上たってから渋々出した原因は、必ずしも翻訳能力の問題だけではなさそうです。

 同省の本音は、仮訳に表れていました。題名は「TPPの輪郭」。本文中でも「TPPの大まかな輪郭を達成した」と訳しています。しかし、在日米国大使館が訳した9カ国首脳声明では「大枠の合意に達した」となっており、「大まかな輪郭」などという半端な中身ではありません。

 事実、同省訳の「輪郭」でも、「関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に対するその他の障壁を撤廃する」ことなどに全9カ国が合意したと明記。すべての作業グループで「統合条文案」を作成し、いくつかの分野で「条文案はほとんど完成」段階。あとは意見の相違点を示す「括弧」内の空欄を埋めるだけだというのです。

 農林水産業の崩壊など経済・社会を根幹から覆すTPPについての国民的議論も経ずに、「ルールづくりに主導的役割を果たす」「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」と言い張る野田佳彦首相の詭弁(きべん)を合理化し、国民をだまして恥じない姿勢は、「大まかな輪郭」という珍妙な訳に如実に表れています。 (信)


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本共産党中央委員会 ご利用にあたって