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2011年11月25日(金)

きょうの潮流

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 イタリアの服飾企業ベネトンの服をみる機会がなくても、広告をどこかでみた人は少なくないでしょう。たびたび物議をかもしてきました▼広告なのに、商品はまず載せません。世界の出来事や関心事を、ポスター写真で表現します。たとえば、旧ユーゴスラビアのボスニアで戦死した兵士の、弾丸で穴が開き血に染まる白いTシャツ、迷彩色のズボン▼みる者は、考えさせられます。“彼は若者だったろう”とか、“どうしてこんな戦争が…”と。街で衣装の奇抜さを競う、日本の若者の写真も撮っています。制作者は、政治・社会について無言の若者たちを、こう評しました。「現実を無意識に拒絶する彼らは、実は悲劇の天使なのではないか」▼さて、いま話題のベネトン広告は、「反・憎しみ」と題する合成写真です。全編、2人の口づけです。オバマ米大統領と胡錦濤中国主席。イスラエルのネタニヤフ首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長…。ベネトンは、解説します。キスは、もっとも世界に共通する愛のシンボルだ―▼ローマ法王とエジプトのイスラム教指導者の口づけ写真は、ローマ法王庁の抗議でとり除かれました。アメリカの大統領府も、批判します。「大統領の名前や肖像を営利の目的で使うことは認めない」▼もちろん、好き嫌いや賛否の分かれる衝撃の映像には違いありません。しかし、太平洋をはさむ米中間のあやしい雲行きなど、現実をみるにつけ、「反・憎しみ」の訴えに説得力を感じる人は多いはずです。


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