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2011年11月22日(火)

スペイン与党大敗 国民党が政権奪取

批判の緊縮政策は継続

統一左翼は躍進

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 【マドリード=小玉純一】20日投開票されたスペイン総選挙で、政権党の社会労働党は下院(定数350、任期4年)で110議席にとどまる大敗を喫しました。最大野党・国民党は186議席を獲得、7年ぶりの政権奪取を決めました。両党の得票率、議席の合計は前回時を下回り、スペイン共産党が中核の統一左翼が躍進するなど、緊縮政策を進める2大政党への反発もうかがわせる結果となりました。

 社会労働党の得票率は28・7%、獲得議席は前回比59減で、1975年の民主化以降で最低となりました。失業率が2割を超えるなど、経済悪化に怒る国民の審判が下った形です。一方、「変化への参加」を訴えた国民党の得票率は、同党史上最高の44・6%、議席は前回比32増でした。同党は上院でも過半数を制しました。

 下院での2大政党の議席の合計は前回比で27減。得票率の合計も前回比で約10ポイント減りました。一方、統一左翼は、前回比で約3ポイント増の6・9%を獲得し、9議席増の11議席となりました。選挙は県別の比例代表制です。

 ユーロ圏第4の経済規模のスペインでは、住宅バブル崩壊に世界金融危機が加わり景気が悪化。政府債務が膨らみ、社会労働党政権は公務員給与引き下げなど緊縮政策を進めてきました。勝利した国民党も具体的内容はあいまいとはいえ、緊縮政策を進める立場を明確にしてきました。

 国民党は今後、金融市場をなだめるため、緊縮策を具体化します。実行すれば、景気がさらに悪化するとの指摘もあり、国民党も難しい経済運営を強いられます。

 同党のラホイ首相候補は早速、勝利演説で、赤字削減を進める決意を述べ、国民に協力を呼び掛けました。しかし、選挙運動中も教育支出削減反対の教員らによるデモがあるなど、緊縮政策には強い批判があります。強行すれば国民のいっそうの反発に直面するのは必至です。


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