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2011年11月21日(月)

憲法審始動

改憲派 意欲にじませる

国民の声と深刻な矛盾

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 17日に活動を開始した衆院憲法審査会。改憲派から改憲論議の盛り上げに意欲を示す発言が相次ぐ一方、矛盾を抱える実態も浮きぼりになりました。

 17日の審査会に参考人として招かれた中山太郎・前衆院憲法調査会会長は、「大震災への対応の一つとしての非常事態の条項などは、最も重要な、緊急な議論すべき論点」などと発言。改憲論議の推進をけしかけました。同氏は、すでに「緊急事態に関する憲法改正試案」を提示しています。

 「憲法論議は新しいステージに入った。今日はその第一歩」。自民党憲法改正推進本部の幹部の一人は17日の審査会終了後、こう胸を張りました。別の同本部メンバーは「非常事態条項の問題は緊急課題。われわれとしては早急に審査会の論議にかけていく」と述べました。

 審査会での各党の意見表明で、自民党の中谷元・議員(元防衛庁長官)は、「参院憲法審査会と連携し、両院の合同審査会を設置し、合同審査会が両院の審査会に改正原案の起草を勧告するのが適切」とし、改憲原案提出への道筋を描いてみせました。この日、参院憲法審査会の小坂憲次会長(自民党)が傍聴席に姿を見せ、最前列で質疑を凝視。審査会の活動強化へ異様な意欲をにじませました。

 さらに中谷氏は、同党が2005年にまとめた「新憲法草案」を来年4月までに「バージョンアップ」すると表明しました。

 民主党幹事は、震災復興の中で「(改憲論議は)優先順位としては相対的には下がる」と“慎重”姿勢を見せましたが、同党の前原誠司政調会長は同日の記者会見で、「大規模な自然災害や有事など国家の非常事態が憲法で想定されているか、という根本的問題がある」と発言しました。

 憲法審査会の始動とともに明文改憲へ攻勢が強まりを示していることは重大です。

 他方で、改憲勢力は深刻な矛盾を抱えています。

 主権者である国民が改憲の必要性を全く認めていないことです。世論調査で“現在の政治の優先課題は何か”という質問で、「憲法改正」は常に1〜2%に過ぎません。国民が求める最大の課題は、どの世論調査でも、震災復興、原発・エネルギー政策、景気・雇用、年金・医療など社会保障問題です。

 いま問われる最大の憲法問題は、震災と原発事故で生存そのものが脅かされている国民の人権確保に全力をあげ、原発なくせの圧倒的な国民の声にこたえることです。

 北海道新聞18日付社説も、「大震災を理由に改憲を一気に推し進めようというのは、あまりに短絡的で理解は得られまい」「今論じるべきは憲法が保障する『生存権』(25条)や『幸福追求権』(13条)の精神をいかに具体化し、被災地での支援に生かすかだ」と述べています。


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