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2011年11月16日(水)

豊かな教育の実現へ職場での党づくりを

第3回職場問題学習・交流講座(教職員)を開催

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(写真)第3回職場問題学習・交流講座=12日、党本部

 日本共産党の第3回職場問題学習・交流講座(教職員)が12、13の両日、党本部で開かれました。分野別の職場対策を強化するために5分野で順次開催するもので、今回は、ことし1月に開いた自治体に続くものです。全国の学校職場や党機関から260人が参加。職場(労働)対策委員会の山下芳生責任者が報告しました。

 討論では、質疑応答も含めて合計40人が発言。競争教育、管理主義の押しつけが強まっているもとで、子どもの成長・発達を支える「学校づくり」の経験が紹介されました。党づくりでは、教育実践の交流やサークル活動、臨時教員むけの採用試験勉強会の継続的な開催など、青年の要求に応えるとりくみを通じて、結びつきが広がっていることが報告されました。

 このなかで青年教師が「あの先生のような教師になりたい」と、党員教師への信頼が動機となって入党した経験が語られました。

 また、若い党員が生きいき活動し、成長できるように、「支部会議2時間のうち、1時間は青年の時間」などの発言や、青年の自主性を生かしながら、青年のとりくみを援助している工夫が語られました。

 2日間にわたる討論のまとめを行った山下責任者は、職場での活動のヒントがたくさんあり、大きな成果をあげることができたと報告。学んだこととして第1に、要求にもとづく運動が大事になっていると指摘。競争や序列化、管理主義教育が強まるもとで、苦悩しながらも、子どもたちに向き合おうとする教職員党員の姿勢に青年が信頼を寄せていると語りました。

 第2に、党づくり、党勢拡大の努力が裾野を広げて始まっていることをあげ、職場の豊かな結びつきを党の結びつきにする意識的な努力を強めることで党勢拡大の可能性がさらに広がることを実感したと語りました。

 また、支部会議開催のために粘り強い地道な努力を重ねて、参加者を広げている活動が教訓的だったと発言。あわせて、連合系労組の職場では、「党をつくったら、つくったところに根をおろして、発展させる」という立場で活動する重要性を強調しました。

 第3に、党勢拡大の努力と成果が広がりつつある背景として、二大政党の深刻なゆきづまりがあるとして、国民に広がる新しい政治への探求の流れと、党の主張がひびきあう状況になり、共同が広がっていると指摘。さらに、大震災と福島原発事故以降、教職員の意識が変化しているとし、ここにも党との関係を深める条件があると強調しました。

 講座には、市田忠義書記局長、浜野忠夫、広井暢子の両副委員長らが出席しました。


職場(労働)対策委員会 山下芳生責任者の報告

 日本共産党の第3回職場問題学習・交流講座(教職員)で、山下芳生職場(労働)対策委員会責任者がおこなった報告(要旨)を紹介します。


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(写真)報告する山下芳生職場対策委員会責任者

 山下氏は、講座の準備で各地の学校職場、党組織を訪問して感じたこととして、子どもの成長発達にとって学校の果たす役割の大きさ、そのなかでの教職員の奮闘、党づくりの努力に言及したあと、今回の講座の目的は、どうしたら学校職場で子どもたちの成長を支える教育実践・運動を前進させることができるか、党づくりを前進させることができるか、教訓を学び、ぶつかっている問題や悩みを打開する道をともに探求することにあるとのべました。

過度の競争、貧困の拡大が子どもと教職員を苦しめている―奮闘する党員の二つの確信

 子どもと教育をめぐる情勢について山下氏は、2006年の教育基本法改悪以降、子どもを競争に追いたてる教育がひどくなっていること、教職員評価制度の導入など管理主義の押しつけが強まっていること、家庭における貧困の広がりが深刻化していることを指摘。このなかで子どもを豊かに育てたいという保護者、国民の願いが切実になっているとして、この願いに応えることに民主的教育運動と党の存在意義があり、運動前進の基盤があると強調しました。

 このなかで苦悩しながらがんばっている教職員党員から学んだこととして、2点をあげました。

 一つは、「苦悩の根源」を見すえ、それを打開する展望をもって活動していることです。過度の競争と貧困の広がりの根源にある大企業・財界の横暴な支配のもとで、教育でも国民生活でもまともなルールがない現状に目を向け、それを打開する綱領的確信をもっているということです。

 二つは、党が1970年代に発表した民主的教師・教育論への確信をもっていることです。教師は労働者であるとともに「教育の専門家」であり、崇高な職務の担い手であるというこの立場は「時代を超えて生きた力を発揮している」とのべました。

子どもの成長と発達を支える教育をめざす運動―豊かな実践に学んで

 このあと山下氏は、子どもの成長と発達を支える教育をめざす実践が全国で展開されていることに言及し、教職員、生徒、父母、国民が力を合わせる「参加と共同の学校づくり」が、教育内容と条件整備の両面で成果をあげていることを紹介しました。

 また「先生のがっこう」など創意的な教育研究活動の広がり、臨時教職員の正規化と待遇改善のとりくみ、学校運営に欠かせない事務職員の努力、高校授業料の無償化や就職難打開など高校分野のたたかい、独自の困難をかかえている私学分野の活動、教育条件の悪化がすすむ障害児教育の活動にそれぞれ言及。過労死ラインを超える異常な「多忙化」について、打開すべき重要な課題と強調しました。

 さらに大阪府の「教育基本条例案」や、東京都の「君が代」強制、歴史をゆがめる「つくる会系」教科書採択の動きなどにふれ、教育の反動化を許さないたたかいの強化をよびかけました。

橋下・「大阪維新の会」による独裁的な教育支配の体制づくり=「教育基本条例案」を許さないたたかいを

 山下氏は、この会議で特別に報告しておきたい問題として、橋下前大阪府知事と「大阪維新の会」による「教育基本条例案」の危険性とたたかいについてのべました。

 条例案の一番の危険は、政治が教育に介入して、教育を首長と議会多数派の独裁下におく制度をつくりあげようとしていることにあると指摘。知事が教育目標を設定し、その責務を果たさない教育委員は罷免、校長は公募などで選ばれ、知事が設定した教育目標にそって学校運営する、教職員は5段階の相対評価をおこない、2年連続でD評価(最下位)になれば分限免職(解雇)の対象にする、職務命令違反を3回行えば免職とするなどの問題点を解明し、これによってもたらされるのは「恐るべき学校の荒廃」であり、「最大の被害者は子どもたち」だと強調しました。

 さらに政治介入でやろうとしている教育の内容は、国際競争に対応できる「人材」の育成という財界の要求に重なっていると指摘。子どもたちと学校を競争とふるいわけ、序列化するものだと批判し、絶対に許すわけにはいかないと訴え、大阪のたたかいへの連帯をよびかけました。

教職員職場の党づくり―この間の経験と努力から見えてきた前進方向

 党づくりの問題で山下氏は、各地の入党経験の共通点として、「あの先生のような教師になりたい」と職場の党員教師への強い信頼が動機になっていることを指摘。信頼の「源泉」は、党員が「苦悩の根源」と打開の展望を見すえ、民主的教師論の立場でがんばっていることであり、全国の教職員党組織・党員が共通してもっている「宝」だとのべました。

 そして、職場の教職員と結びつき、党に迎えるうえで大事だと感じる点について、第1回「職場講座」で強調された「出発点はあいさつから」が学校でこそ大事であること、「いい教育をしたい」という教職員の一番の要求を土台に結びつきを広げること、この結びつきを入党に結実させる意識的な努力が大切であること、「党員を増やす」という確固とした構えを確立することの重要性を指摘しました。さらに党組織として「成長・発展目標」をもって活動すること、いま教職員の意識の変化がおこり、党を大きくする条件が広がっていることを解明しました。

 山下氏はこのあと、党づくりで共通する悩み、前進への課題にふれて、多忙化などで困難になっている支部会議を開く努力、「しんぶん赤旗」日刊紙を読む努力、綱領的・世界観的確信をつちかう学習、「対象者がいない」などの内なる壁の克服などをあげ、交流、討論をよびかけました。党機関の役割を強調しました。

「労働組合の違いをこえ、党をつくり、根をおろす」方針を教職員職場でこそ

 山下氏は、職場に大きな党をつくるうえで「労働組合の違いをこえ、あらゆる労働者のなかに根をおろす」ことを強調した3中総の立場が重要であることを指摘。民主的教育の前進に大きな役割を果たしている全教の発展、民主党一党支持の日教組路線の矛盾と階級的民主的強化をめざす活動の方向を解明し、あらゆる職場のなかで党をつくり、そこに根をはる活動を強調しました。

 最後に、この講座の成果を「党勢拡大大運動」で発展、飛躍させることを訴えました。


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