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2011年11月5日(土)

きょうの潮流

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 四季折々に表情を変える森と、降り注ぐ陽光が彩る、ゆたかな自然。自然の力にねざして耕す労働。自然と労働の上に繰り広げられる日々の暮らし▼そして、暮らしの中に祈りや恋がある。東京・岩波ホールで上映中のイタリア映画「やがて来たる者へ」は、そんな私たち人間のいのちと生活のなりたちを、山あいの村を舞台に細やかに描き出します▼が、村の生活に戦争が入り込んできます。第2次大戦中の話です。南からの連合軍の進撃に対し、イタリア北部になだれ込んできたナチス・ドイツの占領。彼らにとって、村の美しい自然を形づくり村人に恵みをもたらす山も、作戦上の要の地にすぎません▼やがて、血塗られた事件がおこります。村を、国の解放をめざす市民・住民の抵抗運動の根城とみなす、ナチスの手によって。戦争が、自然を壊し、つい先ほどまで営々と続けられてきた労働と暮らしのすべてを奪ってしまいます▼映画は、一部始終を目撃する8歳の少女の目でつづられてゆきます。生き残った少女は、知っています。一切が奪われる時、なにを守って伝えていかなければならないか、を。誰もいなくなった村の家の前で、生まれて間もない小さないのちを抱く少女の澄み切ったまなざしは、まるで永遠の光をおびているかのようです▼いまも世界で、戦争や世の不幸はやんでいません。しかしやはり、かけがえのない自然を守り、よりよい労働と生活をきずいて未来に伝えようとする人々が、世界を変えてゆくのでしょう。


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