2011年10月31日(月)「しんぶん赤旗」

ふくしま大集会

志位委員長のあいさつ


写真

(写真)あいさつする志位和夫委員長=30日、福島市

 福島県民のみなさん、全国からお集まりのみなさん、こんにちは(「こんにちは」の声)。日本共産党の志位和夫でございます。

 いまのお話をうかがいまして、「3月11日以前のあたりまえの生活に戻してほしい」――福島のみなさんの願いは、このことにつきるのではないでしょうか(拍手)。加害者である国と東京電力は、この願いに全面的にこたえる責任があります(「そうだ」の声、拍手)。このことをみんなで、声を大にして訴えようではありませんか。(「そうだ」の声、大きな拍手)

徹底した除染で子どもの命守れ

 私はまず、徹底した除染をすみやかにおこない、国民、とくに子どもたちの命を守ることを、みなさんとともに強く求めます。(拍手)

 環境省の試算でさえ、除染が必要な年間1ミリシーベルト以上の地域は1万1600平方キロ、国土の3%に及びます。ところが政府の除染予算は、3次補正でわずか2400億円、来年度予算とあわせても1兆2千億円にすぎません。あまりにも少ないではありませんか(「そうだ」の声)。やる気を疑わせるではありませんか。(「その通り」の声、拍手)

 政府は、子どもたちに安心を取り戻し、避難されている方々が一日でも早く故郷に戻るために、必要な除染はすべて責任をもっておこなえ、そのための予算は責任をもって確保せよ、汚染廃棄物の処理はあくまで住民合意を貫け――このことを強く求めていこうではありませんか。(大きな拍手)

東電は加害者として全面賠償をおこなえ

 原発事故によるあらゆる損害をすべて賠償させる――全面賠償をさせることを、私はみなさんとともに強く求めます。(拍手)

 先日、衆院予算委員会でこの問題をとりあげましたが、あのあまりに煩雑な賠償手続きは何ですか(「そうだ」の声)。被害者のみなさんがおっしゃっているのは、「東電には加害者の自覚はあるのか」(「ない」の声)。私は、東電の西沢社長に、「あなたはそういう自覚をもっているのですか」と聞いたところ、社長は「加害者としての自覚はもってございます」と言うんです。そこで、「それだったら、人災と認めますか」と聞いたところ、人災とは認めないんです。これでは、反省とはいえないではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 どうしてあんな煩雑な手続きをさせるのか、それは賠償を少しでも値切ろうとしているからですよ(「そうだ」の声、拍手)。私が、国会でそう問い詰めますと、枝野経済産業大臣も「ご指摘の通り、東京電力の対応は、少しでも賠償額を少なくできないかという考えがある……この事故は国と東京電力の責任による人災だ……そうした責任をふまえて国として誠意ある対応をしていかなければならない」と答弁しました(拍手)。この答弁どおりに実行させようじゃありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 「オール福島」のみなさんと心を一つに、全面賠償を実行させるために頑張りぬく決意を申し上げたいと思います。(歓声、大きな拍手)

「原発埋蔵金」を除染と賠償に使え

 除染と賠償の費用をどうするか。第一義的には加害者である東京電力が負担するのは当たり前です。ただ同時に電力業界には共同責任があるでしょう。電力業界は、核燃料サイクル計画などを推進するための基金=「原発埋蔵金」を持っています。19兆円を積み立てる計画で、すでに4・8兆円の積立金の残高があります。みなさん核燃サイクルなんて物騒なものは中止させて、このお金を国が管理する「基金」に移し、原発の賠償と除染と廃炉のために使わせようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 19兆円ではまだ足りません。電力業界だけではなくて、原発メーカー、鉄鋼・セメントメーカー、大手ゼネコン、大銀行など原発で大もうけをしてきた「原発利益共同体」の大企業にも、この「基金」への拠出を求めていこうではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 先日の党首会談で、私のこの提案にたいして、野田首相は、「原発関係のお金は、可能な限り賠償と除染につかっていく」と答えざるをえなくなりました。これを実行させようではありませんか(拍手)。「原発埋蔵金」を使って、徹底除染と全面賠償を行え――この声をみなさん、ごいっしょにあげましょう。(「そうだ」の声、拍手)

「安心して住み続けられる福島」「原発ゼロの日本」を

 福島原発事故による甚大な被害がいかに深刻かは、先ほどの村長さん、町長さんの話を聞いて胸がつまります。原発と人類とは共存できない、このことを示しています。いま全国で「原発ゼロ」を求める運動が大きくひろがっています。この集会の大きな成功を力に、さらに世論と運動をひろげ、原発にしがみつく勢力を追いつめ、包囲しようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)

 「安心して住み続けられる福島」を取り戻し、「原発ゼロの日本」をつくるために頑張りましょう。私もともに頑張ります。(歓声、大きな拍手)





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