2011年10月22日(土)「しんぶん赤旗」

問われる政党の足場

臨時国会開会


 東日本大震災と原発事故に見舞われた2011年の最後となる臨時国会が20日、開会しました。

 厳しい冬を前に、大震災の復興と原発災害対策を急ぐとともに、財界とアメリカいいなりに暴走を始めた野田政権とたたかい、政治を大本から転換できるのはどの党か―これが問われることは間違いありません。

 政権交代から2年余。民主党はどの問題でも国民への公約を投げ捨て、自公政権と見まがうばかりの変節をとげました。野田政権は、消費税増税などさしもの自公政権でさえできなかった企てに踏み出そうとしています。

 無法に立ち向かうべき野党はどうか。

 自公両党は、消費税増税も普天間基地の沖縄県内「移設」も賛成の立場です。これまで暴走に立ち向かう足場もないもとで、逆に悪政をけしかけたり、政権与党と言葉だけの応酬など国民そっちのけの政争に明け暮れてきました。

 今国会でも自公両党が開会日に行ったことは、民主党と第3次補正予算案をめぐる「密室協議」でした。そこでは“庶民には増税、大企業には大減税”という予算案に盛り込まれた異常な大企業・大資産家優遇は一切取り上げられませんでした。

 「1%の金持ちが支配する世界でいいのか」と貧困・格差反対の運動が世界で盛り上がりつつあるのと比べるとあきれるばかりです。

 日本共産党が大企業・大資産家への減税バラマキにメスを入れ、震災復興と原発災害対策に立て分けた建設的な財源論を提起しているのとは大違いです。

 今国会最大の焦点となる環太平洋連携協定(TPP)をめぐっても、自公両党は確固とした立場を打ち出せていません。国民的共同で亡国の企てを阻止しようと呼びかける日本共産党と対照的です。

 野田政権が財界とアメリカいいなりに暴走をすればするほど国民との矛盾は避けられないでしょう。野田政権と形だけの「対決」を演じ、裏では「翼賛体制」で古い政治を押し付けるだけならば、これもまた国民との矛盾は避けられません。

 政治を変えてほしいとの願いを受け止め、政治を大本から変える道を示せるのはどの党か―大震災と原発事故に加え、日本の針路を左右する大問題が国政の争点に浮上するなか、各党に鋭く問われることになります。(深山直人)





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