2011年10月21日(金)「しんぶん赤旗」

静かな生活したい

嘉手納爆音差し止め 原告2万2058人願う

第3次訴訟始まる


 日本の裁判史上空前の2万2058人が原告となり、沖縄県の嘉手納基地での米軍機飛行差し止めと損害賠償を求めた第3次嘉手納爆音差止請求訴訟の第1回口頭弁論が20日、沖縄市の那覇地裁沖縄支部(遠藤真澄裁判長)で開かれました。


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(写真)「静かな暮らしを取り戻したい」と決意を語る高校2年の又吉姫香さん(中央)と原告・弁護団=20日、沖縄市

 国側は答弁書で、原告の飛行差し止め請求に対し、「(日本の)支配の及ばない第三者の行為の差止めを請求するものであるから…主張自体失当」と主張しています。

 これに対して原告は、基地を提供して基地被害をつくり出したうえ、騒音状況の改善を図るべき義務を果たさない日本政府の責任を問うています。

 初弁論では、新川秀清原告団長と原告団全6支部の代表計7人が陳述しました。全町民の3分の1以上が原告となった嘉手納町からは、高校2年の又吉姫香さん(17)が陳述。開廷前には「静かな普通の生活がしてみたいです、と伝えたい」と笑顔を見せました。法廷では、爆音で台なしになった卒業式やおびえる妹の様子を証言。「虫の声が響くくらいの静かな生活がしてみたい」と話しました。

 「戦争は絶対ダメといっていたおじい、おばあの思いを込めて陳述したい」と語った新里富子さん(65)は、爆音が最もひどい北谷町砂辺在住。爆音被害で地域人口が3分の1に減ったことをあげ、「これ以上、地域が壊れないようにしてほしい」と訴えました。

 弁論後、新川原告団長は「当たり前に生活できる環境を取り戻すためにしっかり訴えていきたい」とのべました。池宮城紀夫弁護団長は「第1次訴訟から40年近くたち、米軍の爆音は違法と裁判所が断罪したにもかかわらず、基地被害はますます増大している。この状況にとどめを刺そう」と呼びかけました。次回は来年1月19日。





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