2011年10月12日(水)「しんぶん赤旗」

九電HP いまだに「安全神話」

チェルノブイリ級事故 起きない


 九州電力は「チェルノブイリのような事故が起こることは考えられない」とした見解をホームページ上でいまだに公開しています。「安全神話」の崩壊した福島第1原発事故を直視していない同社の姿勢を示すものです。

 問題の記述は、2005年12月に掲載されたプルサーマル導入反対の新聞意見広告への反論です。

 九電は、チェルノブイリ原発の欠陥や原子炉格納容器がなかったことなどをあげ、日本の場合「五重の壁」で放射性物質を閉じ込める対策をとっており、同様の事故は起きないとしています。

 福島事故の現実が示すように、放射性物質は格納容器から外部に漏れ、第5の壁とされた原子炉建屋は水素爆発で損壊しました。

 九電広報部はチェルノブイリでの安全設計上の欠陥と運転員の規則違反を強調。福島事故をふまえ「緊急安全対策」を行い、他の広告物で周知しているとして、「当社の見解は全体として間違っておらず削除するつもりはない」と答えました。緊急安全対策は深刻な事態に陥らないための電源確保が目的で、放射性物質の流出防止には対応していません。

 九電は「安全性編」と題したパンフレットでも「日本でチェルノブイリのような事故は起こり得ない」との主張を展開。福岡市の九州エネルギー館などで無料配布していましたが、10月初めに撤去しました。

 撤去理由について同館は当初、インターネット上でのパンフへの批判を念頭に「確かに誤解を与える内容があった」としていましたが、「棚卸しで古いパンフは処分した」と説明を変えました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp