2011年10月7日(金)「しんぶん赤旗」
首都ワシントンに波及
ウォール街行動 「富裕層腐敗」に抗議
【ワシントン=小林俊哉】米金融界の象徴ウォール街で始まった抗議活動は、首都ワシントンにも波及しています。5日には「ウォール街を占拠せよ」運動に連帯した「DCを占拠せよ」を名乗る団体の若者たち数十人がワシントン市内をデモ行進しました。
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「人口の1%の富裕層の貪欲と腐敗」に抗議するとして、「私たちは99%の側」「99%に加わろう」などと書かれたプラカードを手に行進。参加者の1人は「僕たちは先週土曜から市内の公園に集まって、この活動を開始した。連帯を強めて、オバマ大統領にもっとましなことをさせるためだ」といいます。
労働団体や市民団体も同日、ワシントンの市内各地で集会や催しを開きました。
米連邦議事堂の近くで開催された「雇用を削るな」という集会は労組などが主催。参加したビル・アームブラスターさん(62)は、「若者が声をあげているのは、すばらしいことだ。彼らは、大学に行くにも金がなく、大きな借金を背負い、卒業しても職がない」と連帯の気持ちを示していました。
ワシントンでは6日に、ホワイトハウスに程近い広場「フリーダム・プラザ」に多様な団体・市民が集まってアピールする催しが予定されています。
労組も合流 NYデモ1万人に
米ニューヨークの金融街で始まった若者たちによる「ウォール街を占拠せよ」のデモに、労働組合が支持を表明、合流する動きが広がっています。
最大のナショナルセンター、米労働総同盟産別会議(ALF・CIO、1220万人)のトラムカ議長は5日の声明で、「ウォール街に説明責任と雇用創出を求める彼らの決意を支持する」と表明しました。
ロイター通信によると、傘下の地方公務員組合連合(AFSCME)と通信労組(CWA)、合同運輸労組(ATU)、全米看護師組合(NNU)の4労組のメンバーが5日、ニューヨークでのデモに参加。9月17日の開始以来最大の5千人にふくれ上がりました。1万人に達したとの報道もあります。
AFSCMEのマクエンティ議長は声明で「アメリカンドリームを追い求める労働者を犠牲にした、銀行の見境のない利益追求は終わらせなければならない」と強調。「ウォール街の強欲に抗議する運動と団結する」と述べました。
ATUのハンリー議長も「若者たちは、労働者に困難をくわえ、利益を得てきた銀行に不満を抱く圧倒的多数の米国人の声を代弁している」と力説。NNUはウェブサイトで、金融投機に課税し、雇用や福祉など国民に還元するよう求めていく立場を表明しました。
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