2011年10月5日(水)「しんぶん赤旗」

コートジボワール残虐行為

国際刑事裁が捜査承認

国内で真実委発足


 国際刑事裁判所(ICC、ハーグ)は3日、西アフリカ・コートジボワールで昨年末の大統領選挙後に起きた内戦に伴う残虐行為について、検察局の捜査開始を承認したことを明らかにしました。同国では先月28日、内戦による傷痕を修復する目的で、「対話・真実・和解委員会」が発足しています。

 同国では02年のバグボ大統領(当時)追放を狙ったクーデター未遂事件後、国が南北に分断されました。昨年、再統一のために行われた大統領選挙の決選投票(11月)後、勝利したワタラ元首相と大統領辞任を拒否するバグボ氏との対立で再び内戦状態に陥りました。

 混乱は、ワタラ派軍が4月、バグボ氏を拘束するまで続き、3000人以上が死亡、50万人が国内避難民・難民となりました。隣国リベリア、ガーナには今も数千人の難民が残っています。

 委員会は、アパルトヘイト(人種隔離政策)廃止後の南アフリカ共和国の「真実・和解委員会」(1995年設立、委員長=ツツ大主教)がモデル。委員長のバニー元首相ら各界の11人で構成されます。海外で活躍している同国出身者として、英チェルシー所属のサッカー選手、ディディエ・ドログバ氏も加わっています。

 委員会は、大統領選挙後の両派軍隊による人権侵害行為だけでなく、その背景にある民族対立、土地所有問題についても調査します。バニー委員長は「委員会は、恩赦、免罪、懲罰権を持たない」としています。ツツ大主教はメッセージを寄せ、「勝者による裁判になってはならない」と述べました。 (夏目雅至)

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