2011年10月4日(火)「しんぶん赤旗」
交渉再開案受け入れ
入植拡大非難かわす狙いか
イスラエル
【カイロ=伴安弘】イスラエル政府は2日、中東和平4者協議(カルテット=米、ロ、欧州連合、国連)によるパレスチナとの和平交渉再開提案を受け入れることを明らかにしました。
首相府の声明は「前提条件なし」での交渉受け入れを表明し、「パレスチナ自治政府に対し、遅滞無く直接交渉に入るよう呼びかける」と述べています。
これに対し、自治政府のアッバス議長の報道官はイスラエルがユダヤ人入植拡大を停止しない限り交渉には応じられないと反論。イスラエルが東エルサレムを含むヨルダン川西岸とガザ地区を占領した1967年の第3次中東戦争以前の境界線をパレスチナ国家の国境線と認めるべきだと主張しました。67年の国連安保理決議はイスラエルに対し占領地からの撤退を求めています。
東エルサレムと西岸には現在50万人の入植者が住んでいます。イスラエルはさらに9月27日、東エルサレムのギロ入植地に新たに1100戸のユダヤ人住居の建設を許可しました。これには米国を含む国際社会から批判の声が出ています。
イスラエル政治筋は、政府の和平交渉受け入れは国際社会からの非難・批判をかわすためものではないかと指摘しています。
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