2011年9月29日(木)「しんぶん赤旗」

北電やらせ 原発受注企業も

大成や三菱重工…、泊原発「聴く会」で意見表明


 北海道電力泊(とまり)原発3号機(古宇郡泊村)の建設に関する北海道主催の「道民のご意見を聴く会」(道内5カ所、2000年)で多数の北電関係者が一般参加者を装って賛成意見を提出していた「やらせ」問題で、同原発の原子炉を受注した三菱重工や建屋を受注した大成建設の関係者も意見陳述を申し込み、一般道民と同じように意見表明していたことが判明しました。 (関連記事)


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(写真)真下紀子道議

 28日の道議会定例会で日本共産党の真下(ました)紀子道議が明らかにしたもの。財界のシンクタンクで、歴代会長には北電の会長や社長、副社長がおさまっている北海道生産性本部の幹部も意見を提出しており、原発建設に向け、「原子力村」を構成する財界ぐるみで組織的に関与、世論操作していたことが浮き彫りになりました。

 これまで、北電社員や取引業者などによる意見表明が明らかになっていたのは47件。真下道議らの調査によると、新たに三菱重工、大成建設のほか、原子炉容器を製造する日本製鋼所、三菱商事の幹部などが判明、計81件となりました。意見表明者437人の2割近くを占めます。

 北電は「やらせ」について、社員であっても参加者「個人の意見」と強弁し、道による調査要請を拒否。東京電力福島第1原発事故後、高橋はるみ知事は全国に先駆けて、泊原発に「再稼働」の判断を出しました。高橋知事は北海道生産性本部の顧問に就いています。

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(写真)北海道電力泊原発(岩内町から撮影)

 質問で高橋知事の責任を追及した真下道議は、「知事は『やらせ』について遺憾というだけで、まるで人ごとです。北電に対し知事自ら抗議し、道自ら調査して道民に説明責任を果たすべきです。当然、泊原発3号機の営業運転もプルサーマル計画もやめるべきです」と話しています。

 本紙の取材に三菱重工は社員の参加と意見陳述を認め、三菱商事は参加した可能性があるとのべました。大成建設は「退職していてわからない」としました。





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