2011年9月27日(火)「しんぶん赤旗」

原発年内再稼働迫る

民主政調会長 自民席から称賛の声

衆院予算委


 民主党の前原誠司政調会長は26日の衆院予算委員会で質問に立ち、停止中の原発について「年内に再稼働させるという意思を内閣としてしっかり持っていただきたい」と強く求めました。野田佳彦首相が米紙のインタビューに答えて「来年夏以降の再稼働」を言明し、藤村修官房長官が関経連の要望を受けて来年2月までの再稼働の可能性に言及していましたが、与党の政策責任者が財界の要求を受けてさらなる前倒しを求めたものです。

 前原氏は電力供給問題や円高で国内企業の海外移転を招くことなどを挙げ、「年内、再稼働に向けて努力することを内閣として発信しないと、経済活動をされている方々含めて相当心配されている」と述べ、財界の主張をおうむ返しに再稼働を迫りました。

 答弁に立った枝野幸男経産相は「趣旨は大変理解する」としつつ、「(再稼働の)結論ありきと誤解されるようなやり方をしたら、周辺住民の理解は到底得られない」とのべ、期限には言及しませんでした。首相は答弁に立ちませんでした。

 前原氏は「答弁は不十分」と納得せず、「福島(原発)の原子炉と最新型の原子炉は違う」「電力会社は応急措置、恒久措置も含めてかなり努力している」と述べ、財界や電力会社の主張を繰り返して、再稼働を求めました。

 福島第1原発事故の原因究明も、安全対策も、独立した規制機関もできていないのに再稼働はありえないというのが国民世論です。財界いいなりにこの世論に逆らう前原氏に、複数の自民党議員から「いい質問だ」と称賛の声が上がりました。





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