2011年9月23日(金)「しんぶん赤旗」

巡回介護は包括払い

厚労省提案 報酬の抑制狙う


 厚生労働省は22日、来年4月から介護保険に新設される予定の「定期巡回・随時対応サービス」(巡回サービス)について、サービス提供量にかかわらず事業者に支払われる介護報酬を一定に抑える「包括払い」とすることを提案しました。巡回サービスを使う高齢者は従来の訪問介護・訪問看護を使えないとする方針も明らかにしました。社会保障審議会介護給付費分科会で示したもの。

 厚労省が24時間対応と打ち出している今回の巡回サービスは「一人暮らしで重度の要介護者でも住み慣れた地域で暮らせるように」との建前で、6月の介護保険法改定で創設されました。訪問介護・看護を1日数回提供します。

 従来の訪問介護は30分、1時間などの単位で提供されます。これを巡回サービスは極めて短時間の細切れ介護とします。

 巡回サービスの「あり方検討会」委員も務めた「地域ケア政策ネットワーク」の池田省三研究主幹はこの日の同分科会で、要介護5の高齢者への巡回サービス提供イメージ(同検討会作成)について、事業者への報酬を出来高払い(サービス提供量に応じた報酬の支払い)で計算すると月額70万〜80万円に上ると指摘。「(70万円)出せるわけない。包括払いでないとできない。事業者に委ねてフレキシブル(柔軟)にやってもらうしかない」と述べました。

 事業者への介護報酬を実際の費用より安く抑えるという「包括払い」の狙いを明かしたものです。これでは事業者が必要な介護・看護を十分に提供できない恐れがあります。





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