2011年9月7日(水)「しんぶん赤旗」

首相の再稼働発言危惧

さようなら原発集会、よびかけ人ら声明


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(写真)野田首相へのアピールを発表する(左から)鎌田、大江、落合、宇都宮の各氏=6日、東京都内

 「さようなら原発集会」(19日午後1時半から、東京・明治公園)をよびかけている、大江健三郎、落合恵子、鎌田慧の3氏と集会の賛同者で、反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児氏は6日、東京都内で記者会見し、経済重視で原発の再稼働が必要であるという野田佳彦首相に、「非常に危惧を覚えます」とする声明を発表しました。

 集会は、東京電力福島第1原発の事故をうけて、原発社会からの脱却を求めるもの。声明は「果たして、経済活動は生命の危機より優先されるべきものか」と指摘。野田政権に、「核の脅威からいのちや国土、人類の公共財産である自然を守るという理念を明確に示」すよう求めています。

 落合さんは、野田首相発言に二つの疑問を持ったと発言。一つは、現在進行形で被ばくしつづけている事態についての答えがないことです。もう一つは、「核のゴミ」と呼ばれる使用済み核燃料の処理をどうするのか答えがないことだ、と話しました。

 大江氏は、交流のあるヨーロッパでは、福島原発事故について、広島、長崎に続く放射能被ばくだと受け止められ、日本国内の受け止めとは落差があることを、放射能雲や内部被ばくなどを例に紹介。自身の体験から、さきの戦争・敗戦に続く大きなものが今回の大震災と原発事故だったとして、敗戦を教訓に新しい憲法ができたように、原発を廃炉にする国民的な決意をしなければならない、と語りました。

 宇都宮氏は、原発事故は人災だと強調。「原発現場で働く労働者が下請け・孫請け以下の非正規雇用で働かされ、ピンはねもひどい。非人間的な労働でしか原発は支えられないことを考えると廃炉しかない」とのべました。また、原発差し止め訴訟をことごとく退けてきた司法・最高裁の責任も指摘しました。脱原発の運動について、「政治的、イデオロギー的立場をこえて国民全体、市民全体がつながっていけるような発展」が必要だと語りました。





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