2011年9月6日(火)「しんぶん赤旗」

地域孤立、懸命の救援

被災の党議員ら奔走


和歌山 ライフライン寸断

 和歌山県への台風12号による被害は、道路、通信が寸断されるなか5日現在も、全体像がつかめない状況が続いています。

 日本共産党那智勝浦町支部の津本芳光支部長は「那智山の麓が壊滅的といえる状態だ。同地区の田中幸子町議に連絡がとれず家に向かったが、道路が川のようになっていて近づけなかった。その後町議とは連絡がとれたが、町議の近くに住む町長の娘さんは亡くなり、奥さんは行方不明だ」と話しました。田中町議のいる地区は5日現在も電気や通信などライフラインが寸断。同町の死者・行方不明は5日午前5時現在、22人にのぼっています。

 古座川町(こざがわちょう)の日下博規(くさか・ひろのり)町議は5日、「明神診療所や明神小学校も水につかった」とのべ、被害家屋の畳上げなど救援活動に打ち込みました。5日に同町入りした党南地区委員会の松下智子さんは「家具を全て外に放り出したり、本当にひどい状態です」と語りました。

 道路が寸断、電気、固定・携帯電話も不通で半孤立状態の田辺市龍神村。3棟が流されましたが、住民の無事は確認されています。

 龍神村福井に住む女性(47)は、なんとか復旧した道を通り電話の通じる日高川町美山まで行き、和歌山市の姉に連絡。無事を知らせるとともに水や非常食を依頼しました。

三重 浸水被害が深刻

 台風12号で記録的な豪雨となった三重県では、河川の氾濫が相次ぎ、5日午後現在、御浜町で89歳の女性、紀宝町で87歳の男性が死亡したほか、計14人が重軽傷を負いました。

 紀宝町の相野谷(おのだに)川流域は下流の熊野川もあふれ、5年前に完成した高さ9・4メートルの輪中堤をも越えて広範に浸水、約1万5千人に避難指示が出されました。孤立した地区もあり、自衛隊などが救出に当たっていますが、被害の全容はいまだ不明です。

 同町の原章三・日本共産党町議は自宅が水没しながら、相野谷中学校に避難している町民約100人の食料や水の確保に奔走。「今日昼になって、ようやくおにぎりが届けられました。周辺は家も車も田畑もすべて水につかって大変な被害です」と話しています。

 熊野市も、市中心部を流れる井戸川や産田川が氾濫。多くの民家が浸水し、市のほぼ全域で断水するなど市民生活に大きな影響が出ています。

 紀宝町や熊野市と県中心部を結ぶ国道42号も土砂崩れなどで寸断され、JR紀勢線は5日、終日運休しました。

 また2004年に大水害のあった同県大台町の宮川でも土石流が発生し、橋や家屋が流されました。住民は避難して無事でした。





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